2003 Fiscal Year Annual Research Report
文化および環境要因が青少年ヘルスリスク行動の形成過程に与える影響
Project/Area Number |
15530450
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
大森 美香 京都教育大学, 教育学部, 講師 (50312806)
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Keywords | ヘルスリスク行動 / 青年期 / 喫煙 / 文化 / 環境 / 自己観 |
Research Abstract |
青年期のヘルスリスク行動は、第二次性徴を含めた身体的変化、自己の確立、家族からの独立などの発達の特徴が大きく関連しているとされている。発達的要因に加え、文化・環境要因が青年期ヘルスリスク形成に強く影響を与えているとの報告がある。文化・環境要因は社会的な動向によって変動するものであり、この文化・環境要因とヘルスリスク行動との関係が明らかになれば、より有効なヘルスリスク行動予防プログラムの開発が可能となる。 本研究は、文化・環境要因が青少年のヘルスリスク行動の形成過程に及ぼす影響を解明することを目的とする。a)対象とする青年期ヘルスリスク行動と文化・環境要因の特定を行い、b)文化要因説明モデルを構築し、c)に示すように複数の文化圏で同時に、概念モデルを検証するための調査研究を行うことで、心理特性を含む青年期ヘルスリスク行動の個人内要因に影響を及ぼす文化・環境要因を明らかにすることを目的とした。 本年度の研究計画として、1)説明モデルの特定、2)「ヘルスリスク行動」の特定、3)ヘルスリスク行動に関連する環境要因・文化的を測る尺度の検討を目指した。複数の文化で比較可能なヘルスリスク行動として喫煙行動を選択し、まず青年期の喫煙行動・喫煙に関する信念・社会的要因と喫煙との関連についての文献研究をすすめた。文化による自己観の違いと青年期ヘルスリスク行動の形成のパターンの関連に焦点をあてる比較研究を可能にするため、日本語・英語による質問紙の構成を行った。二国語の質問紙構成に際し、翻訳の妥当性を検討するため、訳文の返し訳(バックトランスレーション)を行った。調査において測定する構成概念は、自尊感情、自己高揚感、喫煙行動、ヘルスリスク行動に関する危険の知覚、喫煙・健康に関する信念、仲間関係関与を含む。高校生を対象としたパイロット調査により質問項目の文言の検討を行い、来年度に実施するデータ収集の準備を完了した。
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