2004 Fiscal Year Annual Research Report
文化および環境要因が青少年ヘルスリスク行動の形成過程に与える影響
Project/Area Number |
15530450
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大森 美香 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (50312806)
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Keywords | ヘルスリスク行動 / 青年期 / 喫煙 / 文化 / ライフスペース / 自己観 |
Research Abstract |
青年期のヘルスリスク行動は、第二次性徴を含めた身体的変化、自己の確立、家族からの独立などの発達の特徴が大きく関連しているとされている。発達的要因に加え、文化・環境要因が青年期ヘルスリスク形成に強く影響を与えているとの報告がある。文化・環境要因は社会的な動向によって変動するするものであり、この文化・環境要因とヘルスリスク行動との関係が明らかになれば、より有効なヘルスリスク行動予防プログラムの開発が可能となる。 本研究は、文化・環境要因が青少年のヘルスリスク行動の形成過程に及ぼす影響を解明することを目的とする。a)対象とする青年期ヘルスリスク行動と文化・環境要因の特定を行い、b)文化要因説明モデルを構築し、c)複数の文化圏で同時に、概念モデルを検証するための調査研究を行うことで、心理特性を含む青年期ヘルスリスク行動の個人内要因に影響を及ぼす文化・環境要因を明らかにすることを目的とした。 本年度は、昨年度の調査準備に基づいて調査を実施することを目的とした。まず、日米の中学3年生〜高校3年生を対象とした調査を実施した。日米の対象者に、自己概念、自己高揚感、ヘルスリスク行動についての知覚された社会規範、ヘルスリスク行動に対する危険知覚、喫煙行動、喫煙知識、仲間関係の特徴について尋ねた。日本では公立学校を、アメリカでは私立学校においての調査実施した。より比較可能なデータとするため、来年度初めに向け、アメリカにおいても公立学校で調査実施を行う準備を進めている。 次に、大学生のヘルスリスク行動について生活空間の視点から検討するため、日本人の大学生を対象にライフスペースに関する調査を実施した。米国で開発されたCollege Student Life Space(CSLSS)の日本語版を作成し、267人の大学生を対象に調査を実施した。 以上の調査をふまえ、来年度にデータの分析および研究成果の公表を行う計画である。
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