2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530452
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
杉若 弘子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (90257171)
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Keywords | セルフ・コントロール / 抑制的アプローチ / 積極的アプローチ / 目標達成確率 / 行動期間 |
Research Abstract |
改良型セルフ・コントロールは、将来の結果を予測して実行される行動のプロセスであり、目標を達成するまでの期間に特定の行動を抑制する"抑制的アプローチ"と、望ましい行動を大いに実行する"積極的アプローチ"という2方向からのアプローチが可能である。本年度の研究では、抑制的アプローチと積極的アプローチを促進あるいは阻害することが予測される変数のうち、目標達成確立と行動期間を取り上げ、それぞれのアプローチを目標達成までの期間継続させるための条件を検討した。Redressive-Reformative Self-Control Scaleの得点により、改良型セルフ・コントロールの行動レパートリーが多い者(n=28)のと少ない者(n=29)計57名を被験者として抽出した。被験者には、試験の準備期間とダイエット場面で目標達成確率と行動期間を段階的に変動させた状況を呈示し、それぞれの条件でどのくらい確実に2つのアプローチを実行できるか評定させた。試験の準備期間ではアカデミックは学習活動が、ダイエットでは身体にまつわる活動がコントロールされる反応(controlled response)となり、これらは形態的にかなり異なる。よって、これら2場面に共通する結果は、改良型セルフ・コントロールの特徴を表すものとしてある程度一般化できると判断した。主な結果は次のとおりである。目標達成確率の減少と行動期間の長期化は、2方向からのアプローチを減少させるよう相乗的に作用したが、特に抑制的アプローチでは、行動期間と目的達成確率のどちらか一方の条件が悪化するだけで実行されにくくなることが分かった。これに対し、積極的アプローチは、どちらか一方の条件が整えば、実効度が低下しにくいことが明らかになった。改良型セルフ・コントロールは、積極的アプローチを優先させた方が維持されやすいといえよう。
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Research Products
(3 results)