2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530452
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
杉若 弘子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (90257171)
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Keywords | セルフ・コントロール / 積極的アプローチ / 抑制的アプローチ / 行動コスト / 目標達成確率 |
Research Abstract |
改良型セルフ・コントロールは、将来の結果を予測して実行される行動のプロセスであり、目標を達成するまでの期間に特定の行動を抑制する"抑制的アプローチ"と、望ましい行動を大いに実行する"積極的アプローチ"という2方向からのアプローチが可能である。本年度の研究では、抑制的アプローチと積極的アプローチを促進あるいは阻害することが予測される変数のうち、セルフ・コントロールによってどの程度の割合で目標を達成できるかを示す"目標達成確率"と、目標を達成するために必要な労力である"行動コスト"を取り上げ、それぞれのアプローチを継続させるための条件を検討した。Redressive-Reformative Self-Control Scale(杉若,1995)の得点により、改良型セルフ・コントロールの行動レパートリーが多い者(n=37)と少ない者(n=27)の計64名を被験者として抽出した。被験者には、試験の準備期間とダイエット場面で目標達成確率と行動コストを段階的に変動させた状況を呈示し、それぞれの条件でどれくらい確実に2つのアプローチを実行できるかを4段階で評定させた。主な結果は、次の通りであった。改良型セルフ・コントロールの行動レパートリーが多い被験者群は、目標達成確率が100%であれば行動コストが大きくなっても実行度の低下が少ないが、これとは反対に、行動レパートリーの少ない被験者群は目標達成確率の高低に関わらず、行動コストが大きくなると実行度の低下が大きかった。前者には目標達成確率、後者には行動コストの影響が大きいといえる。改良型セルフ・コントロールを成功させるには、行動レパートリーの個人差に配慮したプログラムを組む必要があるといえよう。
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Research Products
(1 results)