2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者ケア専門職のバーンアウト予防プログラムと支援モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
15530455
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
上野 徳美 大分大学, 医学部, 教授 (50144788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義史 日本文理大学, 工学部, 助教授 (60230596)
林 智一 大分大学, 医学部, 助教授 (70274743)
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Keywords | ケア専門職 / バーンアウト / ストレス / 高齢者 / 支援システム / 支援モデル / 心理学的プログラム / 高齢者入所施設 |
Research Abstract |
本年度(平成16年度)は、昨年度に行ったスウェーデンのストックホルム市内の高齢者入所施設および国内の先進的高齢者ケア施設(神奈川県の特別養護老人ホーム)における面接調査と質問紙調査の結果を分析した。ケアスタッフのストレスやバーンアウトの現状と、施設や管理者、同僚に対するスタッフの支援ニーズ、バーンアウト状態にあるスタッフへの支援体制の実情などについて面接調査と質問紙調査を行い、その結果を日本健康心理学会および九州心理学会において発表した。対象者数は少なかったものの、スウェーデンの施設スタッフのバーンアウト状態は予想よりも高く、職場移動・転職希望の強い人も散見された。また、一定の支援体制はとられているが、管理者や上司に対して、ケア・介護の力量を高めるための指導体制の整備や研修機会、相談体制の充実を求めていた。さらに、日本人とは違った現実主義的な対処によってストレス緩和や予防を図っていることもわかった。日本の先進的施設では、管理者の支援や研修指導体制の充実、管理者とスタッフ相互の支え合い等によって、人間関係のストレスやスタッフのバーンアウトは少なかった。スタッフへの支援体制作りを考える上で、示唆的な取り組みがいくつか見られた。 以上の調査研究を踏まえて、国内の高齢者入所施設(主に特別養護老人ホーム)スタッフを対象とした調査を行うために調査内容を検討し、質問紙調査を実施した。すなわち、1.スタッフのバーンアウト状態、2.職場環境・職務内容・人間関係等に関する満足感、3.仕事上のサポートの有無、援助を望むサポート源、4.管理者や上司に望むサポート、5.仕事上のストレッサ、6.バーンアウトを緩和する相互性など、バーンアウトの実態や職場環境要因、ケアスタッフのサポートニーズ、バーンアウト緩衝要因などを明らかにするための調査を行った。現在、調査データの整理と分析を行っているところである。
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