2003 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の親に対する予防的な養育スキル・愛着関係改善トレーニング介入
Project/Area Number |
15530456
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
立元 真 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (50279965)
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Keywords | 幼児 / 親トレーニング / 養育スキル / 行動理論 / 愛着 / 親訓練 / 予防的介入 / アンビバレント |
Research Abstract |
本研究で行っているのは、幼児を持つ親に対する行動理論に基づく養育スキルトレーニング(親訓練)介入である。本研究の特徴は,比較的症状の軽い子どもや現時点で健常な子どもの親に対して介入を行い問題行動の発生を防ごうとする予防的観点と,本邦の子育て文化に即した介入方法の開発の観点である。 平成15年度は、従来用いてきた養育スキル尺度の問題点を改善するために、尺度項目の見直しと追加を行い、「好ましい働きかけ」「罰」「望ましい制限」「一貫性のないしつけ」「関心」の5因子からなる新たな養育スキル尺度を662名のデータをもとに作成した。並行して、「愛着の安全安定性」と「注目獲得的なアンビバレント傾向」を測定できる幼児期の愛着関係尺度を作成した。 さらに、15年度は、前年度までの研究の成果を踏まえ、養育スキルトレーニングプログラムの復習のための冊子資料「養育スキルガイドブック」を作成した。 養育スキルトレーニングプログラムに関しては当初は50事例程度を予定していたが、16年度学内業務が忙しくなることが予想されるため、予定を早めて最終歩留まりで108事例に対する介入を15年度中に行った。この結果、現在までの分析では、養育スキルトレーニングプログラムによって、「罰」「一貫性のないしつけ」を減少させ、「望ましい制限」を向上させる効果があり、また、養育ストレス反応も部分的に軽滅させる効果があることが示された。また、愛着傾向に及ぼす効果については、上記で作成した尺度の外的妥当性の検討の作業が終わり次第、分析を行う予定である。
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