2004 Fiscal Year Annual Research Report
評価の信頼性を高めるための教師研修用プログラムの研究開発
Project/Area Number |
15530531
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
河合 久 国立教育政策研究所, 研究企画開発部, 企画調整官 (30214589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 道子 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40162234)
鳩貝 太郎 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (10280512)
|
Keywords | 評価の信頼性 / 評価基準 / 国際バカロレア / 教師研修 / SAT |
Research Abstract |
小論文(essay)の評価の信頼性を高めるための方策を中心に研究を進めた。 作文の評価に関しては、評価の「ものさし」となるルーブリックが欧米では開発されていて、そのルーブリックを教師と生徒が共有することにより、作文の質の向上に繋がったり、ある程度、評価の一貫性が確保されたりすることが報告されている。しかしながら、問題がないわけではない。ルーブリック自体は必ずしも客観的で首尾一貫した評価を保証しているわけではないからである。やはり評価者を対象にしたルーブリックを使用した評価者のトレーニングが必要となる。 米国では大学入学の合否に大きな影響を有するSATというテストがあるが、2005年からはSATが新しくなり、小論文が導入されている。この小論文の評価にあたり、どのような評価の信頼性を高める方策がとられているか調査した。また、学習者に大量の文章を書かせることが一つの特徴にもなっている国際バカロレア機構のディプロマ・プログラムの中から、TOK(知識の理論)を採り上げ、その小論文に求められている課題、作成要領及び評価方法を調査した。 上記の調査は、我が国の評価者のトレーニングに先立ち、どのような資料を用意して、どのような手順で研修を進めれば客観的で首尾一貫した評価ができるようになるかの参考になるものと考える。 実際に研修で使用され効果を上げている例として、NWRELの論文(「コミュニケーションの問題:オーラル・コミュニケーションの有効性、適切性、反応性(EAR)を教室で指導、評価するための手引き」)、米国における高校生が授業等で書くことがどれだけ要求されているか、その実態を報告している、ライティングについての全米委員会の論文(「無視されている"R"-ライティング・レボリューションの必要性-」)をそれぞれ翻訳し、参考資料として紹介した。
|