2004 Fiscal Year Annual Research Report
あん摩師国家試験に適応が困難な視覚障害者の実態と自立保障の在り方に関する研究
Project/Area Number |
15530558
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Research Institution | Tsukuba College of Thechnology |
Principal Investigator |
藤井 亮輔 国立大学法人筑波技術短期大学, 鍼灸学科, 助教授 (70352565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 健 国立大学法人筑波技術短期大学, 講師 (30320625)
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Keywords | あん摩師国家試験 / 本科保健理療科 / 重度視覚障害者 / 適応困難者 |
Research Abstract |
1.目的:本研究は盲学校の本科保健理療科(本保)、専攻科保健理療科(専保)及び専攻科理療科(専理)卒業生のうち理療業(あん摩業等)に就いていない者の数とその理由を明らかにし、理療教育の将来検討の基礎資料に資することを目的に行った。 2.方法と回答率:全国の盲学校60校に質問紙調査票を郵送し、平成10年度から同14年度までの5年間に卒業した生徒の現況調査を依頼し51校から回答を得た。したがって、回答率は85.0%である。 3.結果及び考察:指定した年度期間内の各課程別卒業生数は本保451人、専保350人、専理1,367人であった。このうち調査日時点(平成15年2月)で理療業に就いていない者(未就業者)の割合は、専理卒12.4%(170人)、専保卒35.0%(121人)、本保卒39.7%(172人)で、本保と専保に未就業者の割合が高い。この未就業者のうち、あん摩師免許未所持者の割合は専理卒18.5%、専保卒33.1%、本保卒60.2%だったことから、本保卒では免許所持率の低さが、就業率低迷の主たる要因を成していることが伺える。 一方、上記の未就業者のうち、あん摩師免許を所持している者の割合は、同順で81.5%、66.9%、39.8%であるが、この群で注目すべきは、保健理療科(専保・本保)の卒業生に、社会スキルの拙劣さを理由とした職場適応困難者の割合が著しく高いことである。すなわち、専理卒の4.5%に対し、専理卒では18.9%、本保卒では15.1%に達しており、その約6割は、卒業後一度も就業せずに、調査時点において、自宅待機を余儀なくされていた。 4.結語:(1)本保卒業生の約4割が、免許未所持を主な理由にあん摩業に就いていないこと、(2)保健理療科卒業生では、免許所持者でも、その約2割が、適応困難を理由に就業していないこと等の事実が判明した。
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