2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際化、情報化社会が必要とする新しい読み書き能力の範囲と内容
Project/Area Number |
15530571
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Research Institution | YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
府川 源一郎 国立大学法人横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00199176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 雄一郎 国立大学法人筑波大学, 教育学系, 助教授 (70169374)
上谷 順三郎 国立大学法人鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (10233941)
寺井 正憲 国立大学法人千葉大学, 教育学部, 教授 (50272290)
中嶋 香緒里 国立大学法人宇都宮大学, 教育学部, 講師 (20334021)
足立 幸子 国立大学法人山形大学, 教育学部, 講師 (30302285)
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Keywords | 国際化 / 情報化 / 読み書き能力 / リテラシー / PISA / メディア / パブリケーション教育 / 国語教科書 |
Research Abstract |
本研究は、国際化・情報化が進む社会を生きていくために、初等・中等教育段階における新たな「読み書き能力」の「範囲」と「内容」について、3つの班に分かれて研究を進めてきた。 「比較研究」班では、ドイツ、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、イギリス、スペイン、アメリカ等が、PISAをどう受け止め、どのように対応をしたのかを探った。その結果、たとえばドイツではPISAの結果を深刻に受け止め、新たなスタンダードの作成や全国共通試験の実施等の取組がなされたことなどが分かった。 一方「歴史研究」班では、明治初期から中期の主に読みに関する教科書及びカリキュラム等の内容や成立過程等を探った。その結果、初期には欧米の強い影響のもとに編纂された教科書及びカリキュラムが、次第に国情にそった修正等が施され、国語科の成立(1900年)に至った様を、多数の新資料等により具体的に跡づけることができた。 「パブリケーションを核とした教育」班は、全米国語教師協議会やコロンビア大学大学院での調査等を通して、アメリカにおけるパブリケーション・アプローチの実践的枠組みを具体的に探った。その結果、従来から日本にもあった類似の実践との差異も見え、関連する概念として「マルチリテラシー」があることなどを検証できた。 以上から、これからの時代における新しい読み書きの能力、とくに読みの能力やその教材、カリキュラム、指導法等は、旧来の国語科の範囲と内容ばかりに閉じこもらず、国際化、情報化の進む中で激変しつつあるメディア環境を背景にした新たな領域をも取り込むべきことなどを具体的に提言することができた。
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Research Products
(7 results)