2004 Fiscal Year Annual Research Report
技術教育の加工学習における新しい教授方法の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15530590
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
土井 康作 国立大学法人鳥取大学, 地域学部, 教授 (20294308)
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Keywords | 技術教育 / 加工学習 / 作業段取り / 作業処理の正確さ / 作業処理時間 / 作業改善 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は,具体的な教授プログラムとして作業段取りを導入した場合,発話及び作業行動の変化を解明し,作業段取りの有用性を検討した。 ■研究方法 被調査者は,工業科高校1年生1クラス40人(10人一組×4回のローテーション)程度。記録の録音は,加工実習の科目(旋盤・フライス盤を使用する加工実習の全ての授業時聞,およそ9時間程度)において,学習者20名(10人一組×2)を対象に,既存の録音機を装着させ,発話を収録した。録画は,全景を捉える既存の4台に加え,学習者の旋盤を操作している手元を,4台のデジタルカメラ及び2台のフォーカスズームカメラ計10台で収録した。両方の収録後,発話と作業行動を同期した。調査の手続きは,作業段取りを導入した場合としない場合に分け,作業段取りによって,情報処理がいかに変化し,さらに作業処理がいかに変化するか,発話と動作分析の両面から比較検討した。そのうちデータの揃った8名を解析した。 ■結果 作業段取りの導入によって以下のことを明らかにした。 (1)作業処理時間を短縮させる効果は認められること。 (2)作業精度を高める効果は認められないこと。 (3)教師の説明に対し,自分の考えを加味する発話が多く見られたこと。 (4)作業の発話回数は,授業時間が多くなるに伴い,教師との発話は少なくなり,友人との発話は多くなる傾向にあった。作業段取りを導入した場合,教師と何についての発話を全体の発話比率でみると,「機械操作」に関する発話比率が最も高いこと。一方,作業段取りを導入しなかった場合は,「作業進行」の発話が最も高い比率を示した。
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Research Products
(1 results)