2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530633
|
Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
石田 久之 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(視覚障害系), 助教授 (50151379)
|
Keywords | 視覚障害者 / 職域拡大 / 就労 |
Research Abstract |
重度視覚障害者(全盲者、重度弱視者)の職場への進出の停滞について、雇用者側の考え方・求めている能力、視覚障害者の求めている職域・就労環境、視覚障害者の為の生活訓練等施設・教育機関での訓練教育プログラムの三つの側面からその原因を明らかにすることを目的とし、本年度は特例子会社などを中心に,障害者雇用のきっかけについて聞き取り調査を行った。 岡山県株式会社:「私共は一般企業といいましても他のところとは全く違った形態を踏んで出来上がってきております。考え方や根本が一般の企業さんとは違っています。知的障害者の施設を作る場合には厚生施設から授産施設という形で作っていきますが、私共ではそれにちょっと反しまして、授産施設から作っていきました。障害者の会の保護者の方々が、ある程度仕事が出来る能力を持った子供達が他の企業に適応したとしても,一人か二人くらいのものなので、それならば自分たちで企業を作ってみようということで作った会社です。」 愛知県株式会社:「私共の形態としましては雇用関係を充実させていくために、障害者の家と各企業が出資しあって特例子会社を作っていくという形で障害者の雇用を進めて参りました。一方では、重度の方もいらっしゃいますので、授産と福祉工場と特例子会社となっています。」 視覚障害者の就労を阻む最も大きな要因は,視覚障害についての無理解である。「目が見えない場合,何ができるのか」は,障害者に一定の理解を持っている人々でも生じる疑問であり,この点の克服が第一の課題である。パソコン・音声装置・メールによってかなりのコミュニケーションや事務処理は可能であることを理解してもらう必要がある。次年度は,視覚障害者への教育カリキュラム,視覚障害者の能力の適切なPRの方法,視覚障害者の効果的な求職方法について検討していく。
|