2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
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Keywords | 量子アファイン展開環 / インスタントンの数え上げ |
Research Abstract |
2004年度は、2003年度に引き続き吉岡康太と共同でインスタントンの数え上げの問題を研究した。これは、物理学者のNekrasovによって提唱されたが、数学的にはインスタントンのモジュライ空間の同変ホモロジーの計算のことである。特に、その基本類の母関数からSeiberg-Wittenのプレポテンシャルが復元できるというNekrasovの予想を証明した。(論文[7])さらにこれに引き続いて、インスタントンの数え上げとSeiberg-Wittenポテンシャルに関する連続講演を行い、講演録を発表した。その中では、数え上げの母関数の展開の種数が一の項を調べ、それが物理で予想されているものと一致していることも証明した。(論文[8]) さらにDonaldson不変量との関連を吉岡とLothar Goettscheと共同研究した。4次元多様体の上のインスタントンのモジュライ空間を考え、その上の自然なコホモロジー類を積分するものがDonaldson不変量であるが、b_+=1のときには、不変量はリーマン計量に依存する。二つのリーマン計量に関するDonaldson不変量の差を与えるのが壁越え公式であるが、これが上のインスタントンの数え上げの母関数で書けることを証明した。(ただし階数が二のときに限る)トーリック曲面のときに、モジュライ空間へのトーラス作用を詳しく調べることにより、この結果が証明される。論文は準備中である。 また、量子アファイン展開環の有限次元表現のq指標を求めるプログラムを京都大学大型計算機センターのスーパーコンピュータで走らせたが、計算を完了することはできなかった。さらにアルゴリズムの改良が必要である。
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Research Products
(8 results)