2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540025
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
朝田 衞 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30192462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ヶ崎 達彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40191077)
米谷 文男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10029340)
三木 博雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90107368)
中村 博昭 岡山大学, 理学部, 教授 (60217883)
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Keywords | ガロア群 / 円分体 / 岩沢理論 |
Research Abstract |
代数曲線と有限次代数体との類似は古くから知られているが、代数曲線において定数体をその代数閉包に拡大することの代数体における類似は1のべき根をすべて添加することと考えられている。そこで、k_0を有限次代数体とし、k_0に1のべき根をすべて添加した体をk_∞,k_∞の最大不分岐ガロア拡大体をL^^〜とすると、ガロア群Gal(L^^~/k_∞)は、「代数閉体上の代数曲線の代数的基本群」の類似物に相当するものと考えられる。 本年度は、このガロア群のアーベル化群Gal(L/k_∞)(Lはk_∞の最大不分岐アーベル拡大体)の構造について調べた。 ガロア群Gal(L/k_∞)はprofinite abel群としては、Z^^^の可算無限個の直積と同型であることが知られている(Uchida)。(Z^^^は加法群Zのprofinite completion.)一方、ガロア群Gal(k_∞/k_0)がこのガロア群に自然に作用するが、その作用も込めた構造については知られていない。いま、k_0に1の4乗根と1のp乗根(pは奇素数)をすべて添加した体をk_1とし、Gal(k_∞/k_0)の部分群G=Gal(k_∞/k_1)を考える。(Gは無限巡回群のprofinite completionと同型となる。)このとき、Gの作用により、Gal(L/k_∞)は自然に完備群環Z^^^[[G]]上の加群となるが、この構造については、次の結果を得た。 定理 Gal(L/k_∞)はZ^^^[[G]]-加群として、Z^^^[[G]]の可算無限個の直積Π^^∞__<N=1>Z^^^[[G]]と同型となる。 なお、k_∞の最大アーベル拡大体Mについても、ガロア群Gal(M/k_∞)はZ^^^[[G]]-加群として、Z^^^[[G]]の可算無限個の直積と同型となることが得られている。
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