2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡部 隆夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30201198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 洋平 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (00093477)
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Keywords | エルミート定数 / 旗多様体 / ボロノイ理論 / 簡約理論 / アデール既約 |
Research Abstract |
本研究の目的は,大域体上の旗多様体に付随して定義される基本Hermite定数の詳しい解析である.今年度の研究で得られた成果は次の二つである. 1 Kは大域体として,XをK上定義されたn-1次元の射影空間とする.XのHermite定数をγ_n(K)とする.L/KをKの分離的有限次拡大で,その拡大次数をrとするとき,γ_n(L)とγ_rn(K)の間にはγ_n(L)/D(L)≦r^(-t)(γ_rn(K)/D(K))^rという不等式が成り立つ.ここで,Kが代数体ならばD(K)はKの絶対判別式を表し,Kが有限体上の1変数代数関数体ならばD(K)はKの定数体の位数の2g-2乗を表す.ただしgはKのジーナスである.またtはKの複素素点の個数を表す.Kが有理数体の場合のこの不等式は,研究代表者と大野晋とにより1999年に証明された.今回の結果は,それを一般の大域体の相対拡大の場合に拡張したものである. 2 Dを大域体K上の有限次元中心的斜体とする.研究代表者により展開されたHermite定数の一般論から,DのHermite定数γ_n(D)が定義される.またγ_n(D)はMinkowski-Hlawka型の評価で下から押さえられることが知られている.このMinkowski-Hlawka型の下界を具体的に計算するには,一般線形群GL(n,D)のアデール群上のある不変測度と玉河測度との比を計算する必要がある.中村吉秀との共同研究により,この比の計算を実行し,下界がDの絶対判別式とDのゼータ関数の特殊値との積の形で表されることを示した.
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Research Products
(3 results)