Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80109082)
武部 尚志 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (60240727)
森田 良幸 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20243545)
小島 武夫 日本大学, 理工学部, 講師 (80307800)
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Research Abstract |
可解格子模型において知られる頂点-面型対応を用いて,対応する2種の楕円量子群,頂点型A_<q,p>(si^^^_2)と面型Β_<q,λ>(si^^^_2),の表現の対応を調べ,これに基づいてフュージョン8頂点模型の代数解析的定式化を行った.具体的には, 1.頂点-面型対応とフュージョン8頂点模型の代数解析 伊達-神保-国場-三輪-尾角に従って頂点型と面型のボルツマン重率をκ×κ個フュージョンすることにより,頂点-面型対応をκ+1次元表現の場合に拡張した.また,U_<q,p>(si^^^_2)のレベルκ表現を,Z_κパラフェルミオンの変形理論とDrinfeldボソンを用いて実現し,κ×κフュージョン面型模型の状態空間との関係を明らかにすると共に,フュージョン8頂点模型の状態空間との頂点-面型対応を陽に与えた.さらに,U_<q,p>(si^^^_2)の頂点作用素の頂点-面型変換により,フュージョン8頂点模型の頂点作用素の構成や,Lashkevich-PugaiのTail作用素Λ_<a'a>:H^<(l)>_<m,a>→H^<(l)>_<m,a'>のU_<q,p>(si^^^_2)の楕円カレントを用いた実現などを与えた.これらを組み合わせることにより,κ×κフュージョン8頂点模型の相関関数が原理的に計算できることを示した. 2.頂点-面型対応と楕円6jシンボル Rosengrenによって導入された拡張楕円6jシンボルと頂点-面型対応との関係を明らかにし,楕円6jシンボルの頂点-面型変換行列とその逆行列成分を用いた新しい表示を導出した.この表示に基づいて,楕円6jシンボルの双直交関係式やフュージョン公式,加法公式の簡便な導出法を与えた.特に,ヤン・バクスター的関係式の導出に初めて成功した.楕円6jシンボルは一方で,楕円超幾何級数による陽な表式が知られており,本研究で得られた新しい表式は楕円超幾何級数の研究に楕円量子群の表現や可解格子模型による新たな観点を導入した点で意義が大きい.
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