2004 Fiscal Year Annual Research Report
リーマンゼータ凾数論:リー群上のヒルベルト空間への埋め込み
Project/Area Number |
15540047
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
本橋 洋一 日本大学, 理工学部, 教授 (30059969)
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Keywords | 保型表現 / ゼータ函数 / 素数分布 / 保型L-函数 |
Research Abstract |
リーマンゼータ函数の臨界線上における4乗平均につき、本研究代表者に依り完全スペクトル分解式が得られている。現今のゼータ函数論において最も深い結果の一つである。在来の手段では解明不可能とされた様々な新しい知見がこれに依ってもたらされつつある。昨年度の研究成果として、リー群SL(2,R)上の或るボアンカレ級数を構成しそれと4乗平均とを結びつけることにより再証明が得られた。これは、本研究課題の「リーマンゼータ函数を何らかのリー群上の函数空間に埋め込む」という目的を相当に達成するものであった。 本年度の研究にては、この「埋め込み」理論の延長上で、保型L-函数の4乗平均につきリーマンゼータ函数の古典論、なかんずく「リンデレーフ問題」の「正統的」拡張を考察する事に努力が傾注された。つまり、リーマンゼータ函数について「リンデレーフ常数<1/6」なる結論が4乗平均のスペクトル理論から導かれることを踏まえ、保型L-函数についてその正しい類似を得ることである。この間題は単にリーマンゼータ函数を扱うに比較し、数学的に極めて興味深い設問を提供する。たとえば、それぞれの保型L-函数は「スペクトルデータ」と共に「臨界線上の点の高さ」に従属する。この二つの基本パラメータにつき「一様な」リンデレーフ常数を得ることは多くの研究者により重要問題とされている。とりわけ、リーマンゼータ函数についての上記結論に対応して、保型L-函数については「リンデレーフ常数<1/3」が予想され、更にそれを斯く「一様」条件のもとで示すことは至難なことである、とされて来た。 しかるに、本研究代表者と海外共同研究者Matti Jutilaとはこの「1/3」の証明を得た。主な手段としては本研究代表者による「加法的約数問題」に関するスペクトル理論(Paris論文、1994)である。概要はMF Oberwolfach Tagung Zeta/2004に於いて両名にて発表された。正式論文は現在作成中である。
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Research Products
(4 results)