2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井関 裕靖 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 元子 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50230024)
藤原 耕二 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60229078)
金井 雅彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70183035)
納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (70222180)
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Keywords | 離散群 / 剛性 / 非正曲率空間 / 調和写像 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非正曲率空間に作用する離散群のある種の剛性を,単体複体から非正曲率空間への調和写像を用いた幾何学的な手法で研究することであった.この目的に対し,交付を受けた補助金により,研究代表者および研究分担者は以下のような成果を挙げた. 単体複体Xに固有不連続かつ余有限に作用する離散群ΓのHadamard空間(非正曲率距離空間)Yへの作用を任意に与え,Γの作用と同変なXからYへの写像を考える.昨年度までに,井関裕靖(研究代表者)と納谷信は,このような同変写像がエネルギー汎関数の勾配流に沿って定値写像に収束するための必要条件を与えていた.同変写像として定値写像がとれるということは,ΓのYへの作用が固定点をもつことを意味する. Takhtajan-Teoにより,普遍Teichmuller空間の連結成分が非正曲率Hilbert多様体の構造をもつことが示されている.Yとしてこの連結成分をとり,上記の結果を適用することにより,非常に多くの離散群のS^1の微分同相群への表現の像が有限群にしかなりえないことを示すことに成功した.この結果そのものはNavasによる結果に含まれるが,多くの剛性現象に適用可能な幾何学的な方法で証明を与えたことには大きな意味がある.また,納谷信は,エネルギー汎関数の勾配流が定値写像に収束するための必要条件に現れる非正曲率空間の不変量について考察した. 金井雅彦は,上の議論に必要なBochner型公式と関係の深い松島の公式を,葉層構造の剛性の観点から研究した. 小谷元子は離散群の作用をもつ一次元単体複体上のランダムウォークの大偏差原理について研究した. 藤原耕二は,Hadamard空間の放物的な等長変換の無限遠における固定点集合について研究した.
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