2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540090
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
枡田 幹也 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00143371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
加藤 信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10243354)
日比 孝之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80181113)
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Keywords | トーリック多様体論 / 扇 / 凸体 / 組合せ論 / トポロジー / face ring / 同変コホモロジー / グラフ理論 |
Research Abstract |
代数幾何におけるトーリック多様体論をトポロジーの観点から展開した理論を構築している。これは、トーリック多様体論をトポロジーの言葉で復元するのみならず、多重扇、多重多面体など、新たな対象が現れる点で興味深いと思われる。トーリック多様体に対応するトポロジーの対象は、トーラス多様体である。トーラス多様体の幾何学的性質を調べるのが、本研究の目的である。これに関して現在次のプロジェクトを進めている。 (1)トーラス多様体のうち、奇数次のコホモロジーが消えているものは、よいトーラス多様体と思われる。実際トーリック多様体はそのようなものである。Panov氏との共同研究において、そのようなトーラス多様体の軌道空間の言葉による特徴づけを得た。この結果に触発されて,球面を単体的セル分割したときの単体の数の特徴づけを得た.これはStanleyの予想の解決になっている. トーラス多様体はコンパクトであるが、コンパクトでない対象も興味深い。トーラス多様体から部分多様体を除いたものが、いつ奇数次のコホモロジーが消えるかの、軌道空間の言葉による必要十分条件を得た。 (2)Guillemin-Zaraにより、トーラス多様体のトポロジーとグラフ理論との関係が調べられている。これは、グラフ理論の研究に同変トポロジーのアイデアを導入したもので大変興味深い。特に、axial functionをもつトーラスグラフに対して、その同変コホモロジー環が,可換環論で導入されているsimplicial posetのface ringになることを示した。 (3)トーリック多様体の実数版とも言うべきものに、small coverと呼ばれる幾何学的対象がある。これの幾何学的性質の多くの部分は、トーリック多様体の議論と平行に進むが、基本群が非自明であることや、向き付け不可能なものもあるなど、トーリック多様体と異なる様相を示す部分もある。特に、n-cube上のsmall coverの位相的分類を試みている.また,Bott towerは,CP^1束を繰り返して得られる複素多様体であるが,これはn-cube上のトーリック多様体になっている.これらの位相的分類も試みている.
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