2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540112
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
町田 元 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (40090534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 史郎 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00001842)
山崎 秀記 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (30108188)
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Keywords | (数学的)クローン / ガロア対応 / クローン束 |
Research Abstract |
集合A上の多変数関数の集合で,射影関数をすべて含み,合成に関して閉じているものをA上のクローンという。A上のクローン全体の集合をA上のクローン束という。一方,A上の1変数関数からなるモノイドの束を考える。本研究の目的は,モノイドの束とクローン束との間に定義されるガロア対応に着目し,このガロア対応に伴う基本的な性質を調べることである。 モノイドMに対し,Mに属すすべての関数と「可換」な(多変数)関数の全体をMのcentralizerと呼ぶ。Mのcentralizerは明らかにクローンである。 16年度には,15年度の研究を継続して,次のような研究を行い,成果をあげた。 1.Centralizerが最小クローンであるための判定条件の研究 すでに前年度に,モノイドMに対し,Mのcentralizerが最小クローンとなるためにMがみたすべき判定条件(十分条件)を求めた。この性質に対する以前の証明を簡素化して別証明を得た。 2.対称群を含むモノイドに対するcentralizerの研究 今年度は,A上の対称群S_Aを含むすべてのモノイドに対し,それらに対するcentralizerをすべて決定した。その際、前項に述べた判定条件が有効に用いられた。ほとんどのモノイドに対し,そのcentralizerは最小クローンになることがわかった。ただし,4値の場合の「線型」な1変数関数からなるモノイドM_2は例外的な振る舞いを示し,そのcentralizerは最小クローンではなくて,別のクローンであることが判明した。これは,大変興味深い結果である。 3.モノイドM_nとそのcentralizerの研究 前項の研究結果に触発され,4値に限らず,一般に2のベキ乗個の要素からなる集合の上で「線型」な1変数関数を定義し,それらの全体からなるモノイドM_nを考察した。とくに,M_nのcentralizerを決定した。
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Research Products
(4 results)