2003 Fiscal Year Annual Research Report
自由表面及び界面を持つ流体現象の数値解析と工学プロセスへの応用に関する研究
Project/Area Number |
15540113
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大森 克史 富山大学, 教育学部, 教授 (20110231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜木 卓也 YKK(株), 研究開発本部, 解析技術センター所長
齋藤 宣一 富山大学, 教育学部, 助教授 (00334706)
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Keywords | 2流体問題 / 非圧縮性 / immiscible / Navier-Stokes方程式 / フラックス汎関数 / ラグランジュ乗数 / 質量保存性 / 有限要素法 |
Research Abstract |
一般に非圧縮,immiscibleの2流体の数理モデルにおいては,各流体の質量は保存されなければならない.しかしながら,これまでの研究で開発してきた我々の有限要素スキームでは,質量保存性を厳密には有していないことが,いくつかの数値実験の結果から明らかとなった.そこで,2流体問題に対する質量保存型有限要素スキームの開発および数学解析を目的として研究を実施した. 本研究では,2流体問題において質量保存性を保障するために,新たにフラックス汎関数を定義し,それを用いて界面を通過するフラックスの損失なしの制約条件をラグランジュ乗数技法により内包した新たな混合型の変分定式化を提案した.さらに,これに基づく有限要素スキームを開発し,本手法の有効性を検証するために,スロッシングタンク問題等の数値実験を奥村弘氏の研究協力により実施した.その結果,ラグランジュ乗数を用いない従来の方法に比して,本手法の質量保存率が高いことを確認した.なお,本数値実験は今年度購入したハイパフォーマンス・コンピュータHPC-IA642/T2で実施した.さらに,本有限要素スキームの理論解析として,定常問題の近似問題の解の存在と一意性,半離散近似問題の安定性,Navier-Stokes方程式に対する分数段射影法スキームの安定性,純移流方程式に対する半陰的有限要素スキームの収束性等についても研究を実施した. 一方,研究分担者の齋藤宣一氏は,同氏が以前に行った領域分割法の研究の経験が生かし,これまでの研究で曖昧であった2流体問題の全体領域上での厳密な再定式化を行った.さらに,圧力とフラックス汎関数の2つの拘束条件がある場合のStokes方程式に対して,2つの拘束条件を同時にBabuska-Brezzi-Kikuchiの鞍点型変分問題に帰着させる部分について流速と圧力の近似空間が,通常のinf-sup条件と同時にもう一つある条件を満たせばその問題は回避できることを示した.現在,応用上用いられる近似空間ともう一つの条件についての関係を研究中である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Ohmori, S.Fujima, Y.Fujita: "Convergence analysis of the interfacial transport phenomena"Math.J.Toyama Univ.. 26. 109-129 (2003)
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[Publications] 大森克史, 奥村弘: "ラグランジュ乗数を用いた質量保存型有限要素法による移動界面の解析"第17回数値流体力学シンポジウム講演論文集. (CD-ROM). 1-2 (2003)
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[Publications] Y.Fajita, K.Ohmori: "A comparison theorem for Bellman equations of ergodic control"Differential and Integral Equations. 16. 641-651 (2003)
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[Publications] S.Fujima, K.Ohmori: "Benchmark problems for numerical schemes to passively transported interface"Int.J.of Computational Fluid Dynamics. (to appear).
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[Publications] N.Saito, T.Suzuki: "A finite difference scheme to the system of self-interacting Particles"京都大学数理解析研究所講究録. 1320. 18-28 (2003)
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[Publications] N.Saito: "A holomorphic semigroup approach to the lumped mass finite element method"J.Comput.Appi.Math.. (to appear).