2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540133
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小松 孝 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 敦司 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30336755)
吉田 雅通 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60264793)
釜江 哲朗 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047258)
伊達山 正人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10163718)
藤井 準二 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60117968)
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Keywords | マリアバン解析 / 確率微分方程式 / ヘルマンダー条件 / 確率流 / 相互作用 / 無限粒子系 |
Research Abstract |
本研究は、退化・飛躍型の確率微分方程式の解の分布の密度関数の正則性を調べる過程で得られた、Malliavin解析における新手法の適用範囲を拡大し、無限次元空間上の確率微分方程式で定義される確率流の性質を解析しようとするものである。ある種の無限次元空間上の確率微分方程式は、確率的Navier-Stokes方程式やFleming-Viot測度値過程等、相互作用のある無限粒子系を記述する方程式として登場する。それらに対応する無限次元空間上の生成作用素について、準楕円性の概念を拡張した偏準楕円性が一つの研究課題である。そこで、関数空間上の確率微分方程式で記述される確率流に対しMalliavin解析を展開し、偏Hormanderの定理を含む局所的性質に関する研究を行うことを、本研究の最初の研究目的とした。 研究代表者小松は、滑らかな係数を持つ無限次元Hilbert空間上の確率微分方程式を考え、拡散係数には相互作用が影響しないという設定の下で、目的の偏Hormanderの定理を証明することに成功した。この結果を相互作用のある確率流に対応する確率微分方程式に適用すると、偏Hormander型の条件下で、確率流による測度の絶対連続性伝播が成立することが示される。この成果をウクライナのスダクで開催された国際夏季セミナで発表し、その会議録に論文を投稿中である。これとは別に、マルコフ型でない確率微分方程式を、関数空間上の確率流の方程式と捉え、その極限理論を研究する過程で、正方格子やダイアモンド格子上の偏りのある多重マルコフ・ウオークの極限過程の具体的表示を得て、日本数学会の秋季学会で発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Komatsu: "On the Malliavin calculus for SDE's on Hilbert spaces"Acta Applicandae Mathematicae. 78. 223-232 (2003)
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[Publications] M.Yoshida: "On the pinched circle model and the absence of wandering domains..."Indagationes Mathematicae. (to appear).