2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540143
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田澤 新成 近畿大学, 理工学部, 教授 (80098657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺井 恒信 近畿大学, 理工学部, 助教授 (70257963)
中本 敦浩 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (20314445)
大野 泰生 近畿大学, 理工学部, 助教授 (70330230)
白倉 暉弘 神戸大学, 発達科学部, 教授 (30033913)
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Keywords | グラフ / 自己補グラフ / 数え上げ / 置換群 / 自己同型群 / 2部グラフ |
Research Abstract |
研究課題「グラフの数え上げの研究」の遂行の一端として、自己補グラフの数え上げを集中的に行ってきた。現在までに、同型でない自己補グラフの数え上げはかなり研究されてきている。この研究は1963年R.C.Readの研究に始まる。その後、次数列を与えての同型でない自己補グラフの分類、ブロックとしての自己補グラフの分類とか種々研究が行われ、現在に至っている。 このような現状のなかで、研究代表者および研究分担者が標識づけられた自己補グラフの個数を求める研究(奇妙なことに、標識づけられていない自己補グラフの研究はかなり進んでいる)を集中的に行っている。ここで、自己補グラフの定義を記しておく:グラフGの補グラフGとは、Gにおいて2点が隣接しているとき、かつそのときに限り、それらの2点が非隣接であるという隣接関係を持つようなグラフのことをいい、GとGが同型であるとき、Gは自己補グラフといわれる。平成15年度の研究として、自己補グラフGを固定するある置換(nを自己補グラフの点の個数としたときの、対称群Snの元)の集合とGの自己同型群との関係を見つけた。この集合はすべての自己補グラフを書き出す方法を与えるが、しかし重複がある(自己同型群の位数だけ)ので、標識づけられた自己補グラフの個数を求めることに難点がある。 そこで問題のむずかしさから、少し観点をかえて辺集合の部分集合の上でのグラフの自己補性を考察した。その部分集合の外でのグラフは固定したものである。Vを点集合とし、V(2)を点対の集合とし、KをV(2)の部分集合とし、Kの部分集合Eに対して、G=(V,K,E)をEを辺集合とするグラフという。グラフG=(V,K,K-E)をGのKに関する補グラフといい、GとGと同型であるとき、GをKに関して自己補グラフという。この概念は自己補グラフ性の一般化である。この報告を三重県伊勢で開催された研究集会「実験計画とその周辺における数理構造の解明とその応用II」(平成16年11月17〜19日)において行った。講演題目は「2部グラフにおける自己補グラフの数え上げについて」である。また、大分大学で開催された「大分離散数理研究会」(平成17年1月7日)において研究報告を行った。講演題目は「自己補グラフの数え上げについて」である。
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