2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤家 雪朗 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00238536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千原 浩之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70273068)
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Keywords | シュレディンガー方程式 / WKB法 / 準古典解析 / レゾナンス / モノドロミー作用素 |
Research Abstract |
本年度本科学研究費で以下の四つの研究を行った.このうち1から3は前年度からの継続である. 1.双曲型平衡点の近傍における超局所特異性の伝播(with J.-F.Bony, T.Ramond, M.Zerzeri). 2.島の中の井戸型ポテンシャルが生成するレゾナンスの虚部(with A.L.Benbernou, A.Martinez). 3.断熱遷移の問題に付随するレゾナンス(with C.Lasser, L.Nedelec). 4.一階常微分方程式系に対する完全WKB法の理論(with L.Nedelec). 1は,ハミルトニアンの双曲型平衡点に附随する安定多様体上の超局所特異性が不安定多様体に伝搬するかと言う問題である.この問題を,解析的およびC^∞両方の範疇で解いた.この結果については,共同研究者のJ.-F.Bonyがパリの研究集会で発表した. 2の問題は,ポテンシャルが解析的な場合の既知の結果(Helffer-Sjostrand)を,C^∞の場合に拡張したものである.島の境界にはcausticsが現れるが,ここで解をAiry型の積分で表示し,相関数,振幅関数を概解析拡張を用いて複素空間に拡張することにより,WKB解をcausticsを超えて接続した. 3は,ポテンシャルがV(x_1,x_2)=【numerical formula】であるシュレディンガー作用素のモデルについて,レゾナンスの量子化条件を求める問題である.一次元に帰着し,完全WKB法を適用することにより解決した.この結果は現在論文として執筆中である. 4は3で用いた手法を一般化したものである.単独の方程式に対して構築された完全WKB法の理論を一階の連立方程式系に拡張し,さらに確定特異点の近傍でのWKB階の構成方法およびその接続を研究した.この結果は6月の京都大学での国際研究集会で発表し,また論文として執筆中である.
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Research Products
(4 results)