2003 Fiscal Year Annual Research Report
複素領域における非局所擬微分方程式の代数解析的研究
Project/Area Number |
15540155
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石村 隆一 千葉大学, 理学部, 教授 (10127970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 教授 (80159285)
渚 勝 千葉大学, 理学部, 教授 (50189172)
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
戸瀬 信之 慶応大学, 経済学部, 教授 (00183492)
田島 慎一 新潟大学, 工学部, 教授 (70155076)
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Keywords | 代数解析学 / 微分・差分方程式 / 擬微分方程式 / 無限階微分方程式 / 偏微分方程式 / 畳込み方程式 / 層の超局所理論 / コーシー問題 |
Research Abstract |
本年度の研究は交付申請書および研究計画書に記載した以下の3つの目標に従って進められた: [1]複素領域における非局所擬微分方程式論の代数解析的研究。 [2]正則関数解の構成と演算子法の研究。 [3]複素領域における無限階微分差分方程式の代数解析的研究。 このうち[1]については、昨年度までの研究により、非局所微分作用素のクラスをコホモロジー的定義、作用素の合成、関数への作用の定式化、擬微分作用素の表象による表現を定式化ができており、またこれらの議論を用いて、作用素の特性集合を自然に定義し、非局所擬微分作用素の可逆性定理が証明されている。そこで、この結果を用いて正則関数に対し非局所擬微分方程式を考えることができるが、可逆性定理を指数解析を用いることでより精密な評価とともに再証明し、これを用いて方程式の特性集合に対する条件の下で、解の具体的な構成を行うことができた。 さらに、[2]では[1]における正則解の構成方法において形式的部分のみに先ず注目し、形式的に作用素の逆作用素を定めることができるが、定数係数の場合に形式的逆作用素による解が具体的に構成できることが証明できた。これは複素領域の擬微分方程式の特殊階を与える演算子法の公式と考えることができる。さらに、特に有限階の場合に一般解を考える為に、対応する斉次方程式を正則関数に対して考察し、その解空間の生成元(generator)を具体的に得ることができた。 最後に[3]については、[2]で得られた演算子法公式を用いて、定数係数の無限階微分差分方程式に対し、その特殊解を与える方法をより簡明に与えることができた。 これらの結果を Existence and continuation of the non-local differential equations of infinite ordre というタイトルで現在投稿中である。 本年度の研究には、2003年6月8-11にヴェネチア国際大学において開催された「代数解析学研究集会」に、本研究費により出席し、世界の多くの研究者と討論できたことが貢献している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiyuki Hino, Satoru Murakami: "Almost automorphic solutions for abstract functional differential equations"Journal of Mathematical Analysis and Applications. 286. 741-752 (2003)
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[Publications] Masaru Nagisa: "Single generation and rank of C*-algebras""Operator Algebras and Applications", Advanced Study in Pure Mathematics, Mathematical Society of Japan. 38. 135-143 (2004)