2006 Fiscal Year Annual Research Report
不動点理論を介した非線形関数解析及び非線形問題の究明
Project/Area Number |
15540157
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 渉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (40016142)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (30260623)
木村 泰紀 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (20313447)
|
Keywords | 非線形関数解析学 / 非線形作用素 / 非線形エルゴード定理 / 非線形発展方程試 / 凸解析学 / 不動点理論 / min-max定理 / 非線形変分不等式 |
Research Abstract |
本研究は「不動点理論を介した非線形関数解析及び非線形問題の究明」と題して、種々の不動点定理を介して、非線形問題の解の存在と、その近似に関する問題を究明することを目的として研究がなされた。まず、Banach空間での極大単調作用素に対する零点の存在の研究では、新しい境界条件を発見し、極大単調作用素の零点が存在するための必要十分条件を得た。これを用いて、集合値写像に対する角谷の不動点定理をヒルベルト空間まで拡張した。 非線形の発展方程式の研究では、非拡大半群と漸近的非拡大半群の研究をし、Banach空間のコンパクト集合上で、非拡大半群及び漸近的非拡大半群の平均収束法、Mann型及びHalpern型の収束法に関する新しく、応用性のあるいくつかの結果を得た。非線形変分不等式の問題や相補性問題の解の存在と近似法の研究では、単調かつリプシッツの非線形作用素の変分不等式問題と非拡大写像の不動点問題、及び2変数関数の均衡問題と非拡大写像の不動点問題を同時に研究し、Extragradient型,Mann型及びHalpern型の収束法に関する結果、並びに平均収束法に関する結果を得た。特に均衡問題の関数をリプシッツ連続な単調作用素から作られる2変数関数とすると,これらの結果は、これまでによく知られているいくつかの収束定理になるというものである。 最後に、これまで未解決問題とされていたBanach空間での極大単調作用素に対する零点への近似法の研究では、新しく疑非拡大作用素を定義し、それを用いてHalpern型及びハイブリッド型の強収束定理を得、さらにMann型の近似法の研究では、疑非拡大作用素に関する弱収束定理を得た。またこれらを非線形最適化問題に応用し,近接点法に関する新しい結果を得た。これらの結果は内外の雑誌に公表され、非常に関心がもたれた。また最近諸外国でたくさん引用されはじめたことを報告しておきたい。これらの成果は予想以上であった。これは科学研究費を使って大量の文献収集やその整理、ならびにこの問題に興味を持っている他大学の研究者との数多くの研究打ち合わせや討論が功を奏した結果であろうと思われる。
|
Research Products
(7 results)