2003 Fiscal Year Annual Research Report
RandomなSchrodinger作用素に関連する問題の研究
Project/Area Number |
15540166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻川 貴司 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (60196136)
西和田 公正 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60093291)
河野 敬雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90028134)
小谷 眞一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10025463)
立木 秀樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (10211377)
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Keywords | random Shrodinger作用素 / 確率解析 / 作用素論 / スペクトル / 状態密度関数 / 確率場 / 微分方程式 / Anderson局在 |
Research Abstract |
本研究はrandomなSchrodinger作用素に関連する問題について多角的に研究することを目的としている。まず本研究代表者は本年度7月28日から8月2日にかけてリスボン大学で行われた国際数理物理学会に参加し、randomな磁場をもつPauli Hamiltonianのintegrated density of states(IDS)の低energyでの挙動について研究発表を行い、討論を行った。このテーマについては10月に京都大学で行われた研究集会と11月に東京大学で行われた研究集会においても研究発表を行い、一定水準に纏まったので論文を学術雑誌に投稿した。内容は正spinの空間と負spinの空間のIDSの差が磁場の平均で与えられること、IDSの強磁場極限の主要項が非常に一般的に磁場の絶対値の平均で与えられること、及び磁場が簡単なGauss型確率場の場合の低energyでのIDSの下限である。また国際数理物理学会におけるrandomなSchrodinger作用素に関連する中心的な話題はAizenman-Molchanovの方法によるスペクトルの局在の証明を連続系に拡張することであったのでこれの詳細を詳しく調べた。またrandomな磁場をもつpauli HamiltonianあるいはDirac operatorに対するWegner型評価の研究を行い、これを用いたスペクトルの局在の証明に向けて方向性が確立出来たと思うが、これについては次年度に更に詳細を詰めるべきである。研究分担者の小谷は見本関数がKdV方程式の解となっている確率場で時空変数について定常となり、対応するSchrodinger作用素のスペクトルが局在する様なものの構成に取り組み、佐藤の∞次元Grassmann多様体上の力学系の理論のSegal-Wilsonによる解析的な書き換えを用いて、そのヒントになるKdV方程式の解の空間の上のflowを構成した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Ueki: "Wegner estimates and localization for Gaussian random potentials"Publ.Res.Inst.Math.Sci.. 40・1(発表予定). (2004)
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[Publications] 西和田公正: "ガウスの算術幾何平均をめぐって"津田塾大学 数学・計算機科学研究所報. 24. 59-70 (2003)
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[Publications] 西和田公正: "ガウスのTheorema elegantissimum"津田塾大学 数学・計算機科学研究所報. 25(発表予定). (2004)
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[Publications] H.Tsuiki: "A Domain Theoretic Semantics of LAX generic functions"Theoretical Computer Science. 307-311 (2003)
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[Publications] S.Kotani: "A thermodynamic limit of relative Fredholm determinant of Green operator for random Schrodinger operators"Markov Processes and Related Fields. (発表予定). (2004)