2004 Fiscal Year Annual Research Report
RandomなSchrodinger作用素に関連する問題の研究
Project/Area Number |
15540166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 芳則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (30115646)
西和田 公正 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60093291)
立木 秀樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (10211377)
小谷 眞一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10025463)
河野 敬雄 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (90028134)
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Keywords | random Schrodinger作用素 / 確率解析 / 作用素論 / スペクトル / 状態密度関数 / 確率場 / 微分方程式 / Anderson局在 |
Research Abstract |
本研究はrandomなSchrodinger作用素に関連する問題について多角的に研究することを目的としている。まず本研究代表者と分担者の小谷は本年度5月2日から7日にかけてドイツのOberwolfach数学研究所で行われた研究集会「不規則系の数学と物理」参加し、本研究課題に密接に関係する分野について討論を行った。またこの研究集会で本研究代表者はrandomな磁場をもつSchrodinger作用素やrandomなポテンシャルがGauss型確率場を用いて与えられるSchrodinger作用素に対するスペクトルの局在の研究について発表を行い、小谷は時空変数について定常となっているKdV flowの佐藤の∞次元Grassmann多様体上の力学系の理論による構成についての研究発表を行った。このテーマについては本研究代表者も小谷も共に11月に京都大学大学院人間・環境学研究科で行われた研究集会「ランダム作用素のスペクトルとその周辺」でも発表を行った。またこれらの研究集会の折りに重要な未解決問題である非束縛状態の存在を証明する問題について検討した。またrandomな磁場をもつPauli HamiltonianあるいはDirac operatorに対するWegner型評価の研究を行い、1つのまとまった評価を与えることが出来た。ここで問題になることはランダムな効果がエネルギーに単調に現れないことであるが、その様な場合に有効なKloppのベクトル場による方法がこの場合にもBirman-Schwingerの原理を変形することで適用可能なことを示すことにより求める評価を与えることが出来た。これはrandomな磁場によるWegner型評価の中では現在のところ最も自然で一般的な仮定の下での評価になっている。
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Research Products
(6 results)