2003 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場を持つシュレディンガー作用素の固有値の漸近分布の研究
Project/Area Number |
15540168
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩塚 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (40184890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243005)
内山 淳 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70025401)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
大倉 弘之 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80135649)
土居 伸一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00243006)
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Keywords | シュレディンガー作用素 / 磁場 / 固有値 / 漸近分布 / 境界条件 / 自己共役作用素 |
Research Abstract |
研究代表者は研究計画にあるように,パリ南大学のB.Helffer教授に研究計画のレビューを受け,上半平面内での定数磁場をもつシュレディンガー作用素についての固有値の漸近分布に関しすでに得られた結果について,アグモン距離を用いてより良い結果が得られる可能性があることの示唆を受け,現在この方向で研究中である。 田村は,2次元ディラック作用素に対して,デルタ型磁場を滑らかな磁場で近似したときのレゾルベントのノルム収束を証明した。磁場をもつシュレディンガー作用素のレゾルベントに対するゼロレゾナンスから生じる低エネルギー領域での特異性の解析が本質的な役割を果たすことを明らかにした。 伊藤と田村は共同研究により,複数個のデルタ型磁場をもつシュレディンガー作用素に適当な境界条件を課し,その自己共役性,波動作用素の漸近完全性,固有値の非存在,を証明した。次に各磁場の中心を十分離した場合の散乱振幅の漸近挙動を解析し,具体的に主要部を与えた。このことから,中心が固定された複数個のデルタ型磁場による散乱振幅の高エネルギーでの挙動も得られる。この結果は磁場を与える2次元ベクトルポテンシャルの物理的実在を主張したアハラノフとボームの1個のデルタ型磁場の場合の議論を複数個に拡張したものである。 土居はシュレディンガー方程式の解の特異性の構造を方程式に付随するハミルトン流の大域的挙動との関連で研究した。特に摂動された調和振動子について解の特異性の伝播・分散・生成に関する結果を得た。 大倉は,対称ディリクレ形式から定まる容量に対する上からの評価式を得る新しい方法を与えた。これにより,ある種の拡散過程から従属操作で得られるジャンプ型のマルコフ過程に対する精密な容量不等式と再帰性の判定条件を得ることに成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hideo TAMURA: "Resolvent convergence in norm for Dirac operator with Aharonov-Bohm field"Journal of Mathematical Physics. 44. 2967-2993 (2003)
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[Publications] Hiroshi T.ITO: "Aharonov-Bohm effect in scattering by a chain of point-like magnetic fields"Asymptotic Analysis. 34. 199-240 (2003)
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[Publications] Shin-ichi DOI: "Dispersion of singularities of solutions for Schroedinger equations"Communications in Mathematical Physics. (印刷中).
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[Publications] Shinichi DOI: "Smoothness of solutions for Schroedinger equations with"Publications of Research Institute for Mathematical Sciences. (印刷中).
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[Publications] Hiroyuki OKURA: "Capacitary upper estimates for symmetric Dirichlet forms"Potential Analysis. 19. 211-235 (2003)