2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540169
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
會田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90222455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
日野 正訓 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (40303888)
永幡 幸生 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (50397725)
磯崎 泰樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90273573)
桑江 一洋 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80243814)
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Keywords | 準古典極限 / 対数ソボレフ不等式 / ループ空間 / 径路積分表示 / ラフパス解析 / 推移確率 |
Research Abstract |
今年度の研究代表者の主な成果は次の3つであり、現在論文として、執筆中である。 (1)Wiener空間上の変数係数の係数作用素を持つディリクレ形式およびポテンシャル関数により定義されるシュレーディンガー作用素(ただし、Wiener測度はパラメータλでスケールされた測度を考える)の最小固有値のλ→∞の漸近挙動を決定した。 (2)リーマン多様体M上のある固定された点から出発する連続な道の空間(パス空間)を考える。この空間には、パラメータλによりスケールされたブラウン運動の測度、H-微分がある。パス空間上の関数Vをとり、シュレーディンガー作用素が定義できる。この作用素のλ→∞の下でのスペクトルボトムの漸近挙動(準古典極限)を決定した。その際、形式的にこの作用素とユニタリ同値なリーマン体積に関して自己共役なシュレーディンガー作用素のポテンシャル関数Uが漸近挙動を決定することになる。証明は、(i)Uのゼロ点の近傍でシュレーディンガー作用素を2次のポテンシャルをもつWiener空間上のシュレーディンガー作用素で近似すること、(ii)Uのゼロ点の近傍の外側では、スペクトルボトムはλ^2のオーダーになることを示すことによりなされる。(ii)の方は対数ソボレフ不等式を用いて示される。ここまでは研究代表者自身により以前に示されていたが、(i)の証明ができたのが今年度の大きな成果である。なおこの結果は(1)の問題で係数行列が非有界作用素の場合と考えられる。 (3)(2)は一般のリーマン多様体であったが、Mがコンパクトリー群の時は、条件つけたpinned Brownian motion measureの時、同様に準古典極限が決定されることを示した。この場合は対数ソボレフ不等式も精密なものを得る必要があるため、これまでのGross,Getzlerらの結果を改善した。 ただし、ポテンシャル関数の遠方での振舞いに強い条件がついており、これを改善したい。 さらに、分担者の日野正訓は、無限次元空間を含む一般の状態空間上の拡散過程の推移確率の漸近挙動を決定した。
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Research Products
(1 results)