2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540177
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
倉田 和浩 首都大学東京, 都市教養学部・理工学系, 教授 (10186489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 良 首都大学東京, 都市教養学部・理工学系, 教授 (70016129)
岡田 正巳 首都大学東京, 都市教養学部・理工学系, 教授 (00152314)
磯崎 洋 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
神保 秀一 北海道大学, 理学研究科, 教授 (80201565)
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Keywords | 最適化問題 / 多重安定パターン / 変分問題 / 非線形シュレディンガー方程式 / 特異摂動問題 / スペクトル / 逆問題 / 数値計算 |
Research Abstract |
1.倉田は、数理生態学におけるロジスチック反応項をもつ個体増殖モデルでの最適捕獲戦略の存在と定性的研究を行った。また、分担者の田中とともにAllee効果をもつ個体増殖モデルにおける環境因子の多重安定パターン形成の機構の研究を行った。2次元非線形シュレディンガー方程式で零点をもつ解の半古典極限での漸近プロファイルを求めた。 2.岡田は、一般の有界領域での数値計算が実行できることを目指して、境界スプライン関数の構成を行った。特に1次元で、有界区間でも適用できる関数近似に適した基底関数を作ることができた。境界の近くでは基底関数を修正し、近似するべきもとの関数をNewtonの補間多項式によって境界外の点に補外することが鍵となった。 3.酒井は、ヘレショウ流れの自由境界問題において、初期領域の境界に尖点(内角が360度の角)がある場合を、特に、乱流点であるための十分条件について調べた。 4.磯崎は、電気伝導体の表面での電位、電圧の測定値から物体内部の電気伝導度を再構成する逆問題の数学的研究を行った。まず物体内の電気伝導度が一部分で不連続的に大きくなっている場合に、不連続部分の位置を特定する理論を完成し,数値計算アルゴリズムを発見した。 5.神保は、マクスウェル方程式の主要部をなす楕円型作用素のスペクトルをヒルベルト空間論の枠組みで解析し離散性を示し固有振動数の摂動問題を設定した。従来同様のミニマックス法による固有値の特徴付けを行い、精密な固有関数を作成して固有値の摂動公式を弱形式の方法によって研究した。 6.田中は、非線型楕円型方程式に関する研究で、特に拡散係数を特異摂動パラメーターとする特異摂動問題の考察を行った。特異摂動パラメーターが小さいとき高振動をもつ解があらわれ、一般に非常に複雑な振る舞いを見せるが、空間次元が1の場合、解の挙動と方程式の空間変数xへの依存の関連をadiabatic invariantを用い記述し、さらにadmissibleなadiabatic invariantをもつ解の族の存在を示した。
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Research Products
(19 results)