2003 Fiscal Year Annual Research Report
作用素不等式とlog-hyponormal作用素の研究
Project/Area Number |
15540180
|
Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
棚橋 浩太郎 東北薬科大学, 薬学部, 助教授 (90142398)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 敦 仙台電波工業高等専門学校, 講師 (00353227)
三浦 康英 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20091647)
武元 英夫 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00004408)
|
Keywords | 作用素不等式 / log-hyponormal作用素 / class A作用素 / class A(s,t)作用素 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は作用素不等式とlog-hyponormal作用素の研究である。棚橋と内山は主に有界線形作用素のスペクトラムの孤立点とそれに対応するリース射影作用素の研究を行った。主な結果は次である。 (1)paranormal作用素の0でないスペクトラムの孤立点に対応するリース射影は直交射影である。 (2)A(s,t)作用素とそのAluthge変換について、互いにスペクトラムの孤立点は対応していて、それらに対応するリース射影は一致する。 (3)零でない2つの作用素のtensor積がまたlog-hyponromal, A(s,t)になる必要十分条件は、それぞれlog-hyponormal, A(s,t)になることである。 (4)Log-hyponormal, p-hyponormal, p-quasihyponormal作用素に対しFuglede-Putnam型の定理が成り立つ。 (5)Algebraically paranormal作用素はWyleの定理を満たす。 (6)ある種のSchwarz型不等式を満たす作用素の特徴付けを行った。 (7)Log-hyponormal作用素のPutnam不等式を証明した。 2.武元と内山はZsidoと共同で、ヒルベルト空間上の有界作用素の数域にかかわるn次元複素ユークリッド空間における凸性についての性質について研究を行った。数域の研究は作用素及び行列の性質の研究に発展し、数学的研究ばかりではなく、数学教育に関する研究にも応用されるものである。 3.三浦は他の研究者と共同して作用素の順序構造を調べた。主な結果は次である。 (1)G.Ladasらによる3項間の非線形差分方程式に関する収束問題を解決し、さらに、より一般化された関数における収束問題と捉えて証明を与えた。この応用範囲はロトカ・ボルテラ型タイプの微分方程式で与えられるモデルよりも広く、離散型微分方程式の今後の発展的な研究につながると考える。 (2)非可換L2空間においてもKadisonの定理が成り立つことを証明した。これは環における順序構造が標準化された線形空間にも適用できるという意味をもつ。また証明の過程でConnesの正錐に関する結果を非可分な空間まで拡張した。 (3)作用素の順序を空間の正錐を保存する意味での順序で定義し、その性質を解明した。これは空間の非可換性を順序に反映する概念であり、量子力学への応用や、非可換力学系への応用を目指している。
|
Research Products
(14 results)
-
[Publications] K.Tanahashi, A.Uchiyama, Jun Ik Lee: "Algebraically paranormal operatorとWeylの定理"京都大学数理解析研究所講究録. 1312. 93-99 (2003)
-
[Publications] K.Tanahasi, M.Cho: "Tensor product of log-hyponormal operators"北海道大学数学講究録. 73. 32-35 (2003)
-
[Publications] H.Takemoto, A.Uchiyama, L.Zsido: "The σ-convexity of all bounded convex sets in Rn and Cn"Nihonkai Mathematical Journal. 4. 61-64 (2003)
-
[Publications] 高橋真映, 三浦康秀, 三浦毅, 塚田真: "数列x_{n+1}=x_{n-1}/(1+x_n)の面白さと関連する話題"京都大学数理解析研究所講究録. 1340. 104-108 (2003)
-
[Publications] 西山公直, 三浦康秀: "相乗平均について"日本数学教育学会誌. 85. 472-472 (2003)
-
[Publications] Y.Miura: "On order of operators preserving selfdual cones in standard forms"Far East J.Math.Sci.(FJMS). 8. 1-9 (2003)
-
[Publications] In Ho Jeon, Jun Ik Lee, A.Uchiyama: "On p-quasihyponormal operators and quasisimilarity"Mathematical Inequalities & Applications. 6. 309-315 (2003)
-
[Publications] In Ho Jeon, K.Tanahashi, A.Uchiyama: "On quasisimilarity for log-hyponormal operators"Glasgow Mathematical Journal. 46. 169-176 (2004)
-
[Publications] K.Tanahashi: "Putnam's inequality for log-hyponormal operators"Integral Equations and Operator Theory. 48. 103-114 (2004)
-
[Publications] A.Uchiyama: "An Example of Non-Reducing Eigenspace of a Paranormal Operators"Nihonkai Mathematical Journal. (to appear).
-
[Publications] A.Uchiyama: "On the isolated points of spectrum of paranormal operators"Integral Equations and Operator Theory. (to appear).
-
[Publications] Y.Miura: "Decomposition of an order isomorphism between matrix ordered Hilbert spaces"Proceedings of American Mathematical Society. (to appear).
-
[Publications] 高橋真映, 三浦康秀, 三浦毅, 塚田真: "Competitionモデル"京都大学数理解析研究所講究録. (出版予定).
-
[Publications] K.Tanahashi, A.Uchiyama: "Spectrum of class A(s,t) operators"Acta Sci.Math.(Szeged). (to appear).