2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540182
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
熊原 啓作 放送大学, 教養学部, 教授 (60029486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 伸 尾道大学, 経済情報学部, 助教授 (90205310)
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Keywords | サンプリング定理 / フーリエ変換 / ラドン変換 / リーマン対称空関 / フーリエ・ヘルガソン変換 / 実双曲空間 / ハリシュ・チャンドラのc関数 |
Research Abstract |
シャノンのサンプリング定理はフーリエ解析の基本的な定理であるとともに、ディジタル技術など応用上も非常に大切な定理である。この定理の種々の一般化が研究されているが、我々の研究の主目的は群および等質空間上のサンプリング公式を構成しそれを証明することである。本年は熊原、小泉が広島大学総合科学部教授江口正晃、広島大学理学部助手江端満彦と協力し、熊原が以前得ていた球面上のサンプリング定理を用いて、リーマン対称空間上の一つのサンプリング公式を得た。医療で使われるコンピュータ・トモグラフィー(CTスキャニング)の数学的原理は、平面上のラドン変換から密度関数を再構成するというものである.そのときサンプリングが用いられる。これは一般には近似式で与えられるが、密度関数がよい性質を持てば近似ではなく密度関数そのものが得られる。我々は上のサンプリング公式を実双曲空間上のフーリエ・ヘルガソン変換に適応し、ロバチェフスキー空間におけるラドン変換(ホロスフィア変換)によるサンプリング公式を得た。サンプリング関数は球面上のゲーゲンバウアー多項式の値と、ハリシュ・チャンドラのc関数を用いて記述される。現在投稿準備中である。また複素半単純リー群に対してもサンプリング公式を得て、現在検証中である。
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