2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540188
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Research Institution | Osaka-Electro-Conmunication University |
Principal Investigator |
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪狩 勝寿 愛媛大学, 工学部, 教授 (90025487)
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20140238)
坂田 定久 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60175362)
山原 英男 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (30103344)
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Keywords | 退化した偏微分方程式 / フックス型偏微分方程式 / フックス型変数 / 特性指数 / 特異点 / 一意性 / コーシー問題 / グルサ問題 |
Research Abstract |
バウエンディ-グラウイック(M.S.Baouendi--C.Goulaouic)が定義したフックス(Fuchs)型偏微分方程式,すなわち初期面に沿って確定特異点をもつ線形偏微分方程式,およびそのVolevic型システムに対しては,指数多項式(indicial polynomial)と呼ばれる多項式,およびその零点である特性指数(characteristic exponent)が重要な役割を果たす.これらの場合では,1変数(t)だけが特別な働きをする(これをフックス型変数と呼ぶ).2004年度には,フックス型変数が2つ以上ある場合(N.S.Madi氏による定義を採用した)に,アルジェリアのM.Mechab氏やM.Belarbi氏の協力により,特定の象限にのみ台をもつ超関数解の存在を,自然な条件の下で示すことができた.フックス型変数が1つの場合と状況は大きく異なり,2005年度には,その点について考察を続けた.残念ながら予想したような大きな成果は得られなかったが,以前(フックス型という枠組みではなく)退化しさらに重複度を持つ双曲型方程式として考察した零解の存在定理との関係がある程度はっきりしてきた.この成果を踏まえて今後の更なる考察が期待される. その他,以下のような結果も得られた. 1.フックス型の非線型偏微分方程式の解の特異点の構造を,特性指数に関する付加条件なしで完全に決定した.2.複素領域での一階の正規型の非線型偏微分方程式が特異な解をもつための必要条件と十分条件に関して,大変シャープな結果を得た.3.複素領域でのnonlinear totally characteristic typeといわれる非線型偏微分方程式について,次の成果を得た:1)特異点の存在に関する結果,2)特異点の非存在に関する結果,3)解の一意性に関する結果.
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Research Products
(6 results)