2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540201
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
上村 豊 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50134854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00176538)
坪井 堅二 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50180047)
中島 主恵 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10318800)
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Keywords | 逆問題 / 移流拡散方程式 / 再構成法 / 逆散乱問題 / マルチェンコ方程式 / シュレディンガー方程式 / クライン・ゴードン方程式 / ポテンシャル |
Research Abstract |
次の2つの逆問題を研究し,記載の結果を得た. 1.移流拡散方程式の移流項をトレーサーの観測データから定める逆問題 2次元定常移流拡散方程式の解の深さ一定の場所における値とフラックス(以下,観測データという)から,方程式の(深さ方向にのみ依存する)移流項を定める逆問題を考察し,移流項は観測データから一意的に定まることを証明し,かつ,移流項を再構成する方法を確立した.再構成法は次のステップからなる. (1)観測データを実数軸上の関数とみなし,これを解析接続して虚数軸上のデータ(以下,散乱データという)を得る. (2)散乱データから複素形マルチェンコ方程式(積分方程式)を作り,その解を求める. (3)ステップ(2)で得られた解をタウ関数とみてハミルトニアンを求めると,これが移流項を与える. このステップのうち(2)および(3)は逆散乱問題の解法と深くかかわる. 2.エネルギー依存ポテンシャルを持つシュレディンガー方程式の逆散乱公式 相対論的量子力学の方程式であるクラインー・ゴードン方程式と古典的(非相対論的)量子力学の方程式であるシュレディンガー方程式を包括的に扱う方程式のポテンシャル(2つの関数の組)を散乱データから再構成する問題(逆散乱問題)を考察し,簡潔で直接的な再構成公式を発見した.この公式は,変換核を従来のものの積分形に取り直し,キーとなる積分方程式の解が単位となる積分方程式の解の既知関数倍となることを洞察することにより得られた.この操作においてはポテンシャルの微分可能性を仮定する必要がなく,得られた公式は従来得られていた間接的な再構成法を著しく改良するものである.
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Research Products
(2 results)