2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540201
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
上村 豊 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50134854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00176538)
坪井 堅二 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50180047)
中島 主恵 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10318800)
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Keywords | エネルギー依存散乱 / 逆散乱問題 / 逆問題 / Schrodinger方程式 / Marchenko方程式 / ポテンシャル |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、非線形問題に対し、逆問題の視点により観測データから非線形性や支配方程式を決定するスキームの開発と応用にあった。この目的に沿った研究テーマの1つとして、前年度までの研究で、2次元定常移流拡散方程式に対しては、その移流項は、方程式の解の深さ一定のところでの値とフラックスから一意的に定まることを証明し、かつ移流項の明示式を導出した。本年度は、この明示式の導出法が、JaulentとJeanが1970年代前半に研究したエネルギー依存Schrodinger方程式の逆散乱問題、すなわち散乱データからポテンシャルの組を定める問題に対しても有効であることを見出し、同方程式に対する散乱データを実現するポテンシャルの明示式を導出した。この結果、JaulentとJeanによるポテンシャルの再構成法は著しく単純化され、逆散乱公式(逆散乱変換公式)を確立することができた。また、Marchenko型積分方程式の解の精密な解析を行うことにより、与えられた実軸上の関数がエネルギー依存Schrodinger方程式の散乱データであるための必要十分条件を得ることに成功した。さらに、具体的に与えた関数から具体的にポテンシャルを書き下す例を提示した。以上の研究により、MarchenkoがradialなSchrodinger方程式に対し作った逆散乱理論が、エネルギー依存Schrodinger方程式に対し、完全に一般化された。
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Research Products
(4 results)