2004 Fiscal Year Annual Research Report
球面の分岐被覆の力学系と力学系のゼータ関数に関する研究
Project/Area Number |
15540204
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
亀山 敦 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00243189)
|
Keywords | ジュリア集合 / 記号力学系 / フラクタル / 双曲型有理関数 / コーディング / タイル張り |
Research Abstract |
1.二次元球面上のpostcritically finiteな分岐被覆の力学系の位相的な分類を目標として、特に劣双曲型有理関数のなす力学系について研究を行った。有理関数の場合は、単なる位相的な分岐被覆よりも道具が多く、ここではジュリア集合に着目し、そのcodingからkneading sequenceに類する不変量をとりだすことを試みた。また、この側面からの研究では、有理関数の族の分岐の状況の記述を期待できることも、利点のひとつとしてあげられる。さらに、この研究の過程で、codingはフラクタルタイリングとも深い関係があることがわかった。 Lagarias-WangやKenyonたちの近年のアファインフラクタルタイリングの研究は、ユークリッド空間上の拡大的アファイン写像によりつくられるタイリングをその対象としている。この構造は我々のジュリア集合のcodingと丁度対応している。応用として、有名なフラクタル図形Levy Dragonのルベーグ測度(=1/4)を、図を調べずして計算する方法を発見した。 2.非自明な対称性を持つフラクタルについて研究した。シェルピンスキー・ガスケットをその境界の3点でふたつ張り合わせた図形は、もとのガスケットが正三角形の対称性を持つのに比して、無限の対称性を持つようになる。この図形は、アポロニウス・パッキングとして古くから知られている。このように、自己相似集合をふたつ張り合わせた図形が非自明な対称性を持つのは、何故か、またこういった図形は他にどうやって構成されるかを調べた。頂点推移性をもつ超グラフから、この図形が構成されることを示し、自己同型群の構造を明らかにした。また、ある場合には、n次元球面のメビウス変換による群で実現できることを示した。
|
Research Products
(2 results)