2004 Fiscal Year Annual Research Report
差分方程式の解の大域的性質と非線形現象モデルの解との対比の研究
Project/Area Number |
15540217
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Research Institution | Aichi Gakusen University |
Principal Investigator |
鈴木 麻美 愛知学泉大学, 経営学部, 助教授 (10236010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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Keywords | difference equation / analytic general solution / functional equation / Nonlinear Cournot Game / Statistical Dynamics / Piecewiselinear Dynamical System |
Research Abstract |
これまで、多くの具体的な非線形差分モデルを解析する一方で、本研究において「一般的2階非線形差分方程式」における、解析的一般解の存在条件ならびに、その解の表示に関しての研究成果をまとめることができた。 具体的モデルの一つとしては「寡占市場におけるクールノーモデル」を取り上げ、安定条件と均衡解に関しての論文をまとめた。この論文では、2者間のモデルであるが、より現実モデル即すよう、2系列間問題として、各系列が何社か異なる企業を含むモデルの研究を始めた。この問題に関して、3月にミラノカソリック大学においてAhmad Naimzada先生と研究会を開き、今年7月の発表を目指して共同研究を進めた。 一方で、u(t+2)=f(u(t),u(t+1))なる2階非線形差分方程式の解析的一般解に関しては、これまでHarrisなどに代表されるように、tの漸近展開で表される一定の条件のもとでの研究がなされていたものの、一般的な場合に関してはまだ研究されておらず、これらの理論をまとめ、8月にUniversity of Southern Californiaで行われた国際会議Difference Equations and Applicationsで発表し、現在その結果を投稿中である。 特に共同研究者においては、複占市場において、伝統的な線形の反応関数の代わりに区分線形の反応関数を想定しクールノ競争の動学的特性を考察した。まず、いかなる状況のもとで区分線形の反応関数が最適解として求められるかのミクロ経済学的基礎を明示し、次に内包される非線形性が強くなるとカオスを含む複雑な動学が現れることを示した。考察されたクールノ的動学システムには確率的な要素は含まれていないが、確率過程と同様な性質をもつカオスがうみだされている。その統計的な性質を調べる為に、カオス軌道の密度関数を導出し、その長期平均的振る舞いが規則性を持つことを示した。
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Research Products
(2 results)