2004 Fiscal Year Annual Research Report
数理物理学および応用解析における無限可積分系の研究
Project/Area Number |
15540219
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
大宮 眞弓 同志社大学, 工学部, 教授 (50035698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 芳英 同志社大学, 工学部, 教授 (50127742)
近藤 弘一 同志社大学, 工学部, 専任講師 (30314397)
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Keywords | 代数幾何的ポテンシャル / 楕円Calogero系 / 極展開法 / Darboux変換 / Sine-Gordon方程式 / Benjamin-Feir型不安定性 / ウェーブレット解析 / トーリックイデアル |
Research Abstract |
昨年度より引き続き、2次Lameポテンシャルが、ある種の退化条件を満たす場合に、繰り返しDarboux変換を行って得られる2次Darboux-Lame方程式と自由度3の楕円Calogero系の研究を続行し、得られた結果を8月にギリシャのコルフで開催された「第6回WSEAS応用数学に関する国際会議」で発表するとともに、参加者達と共同研究行なった。また、その結果をWSEAS Transaction on Applied Mathematicsに投稿したところ受理され印刷公表された。 また、昨年度ニューヨーク州立大学のY.P.Mishev博士と行った共同研究による3次Darboux-Lame方程式と自由度6のCalogero系の関連も、多種多様な計算を要するため、計算機システムを増設して同時並行的に計算を行なっている。 他方、今年度より開始したSine-Gordon方程式の定常解のBenjamin-Feir型不安定性の研究では、過去の代数幾何的Darboux変換の研究手段として開発したΛ作用素法を応用して、厳密に不安定性が発生する波数域を決定することに成功した。従来、この種の問題は分散関係に基礎を置いた線形安定性理論で扱うのが主流だったが、モジュラスが1より小さい場合、Fourier型摂動の係数が2次Lame方程式を満たすことを見いだした。さらに、Sine-Gordon方程式の安定性は、そのLame方程式のスペクトルの帯構造と密接に結びついている事が明かになり、それを詳しく解析することにより安定性を論ずる新たな手法を開発した。この結果は、10月に行なわれたSIAMの「非線形波動とコヒーレンス構造に関する国際会議(NW04,Orland)」において発表した。その後、さらに、詳しい数値計算も推し進め、その結果を、11月に九州大学応用力学研究所で行なわれた非線形波動に関する研究会で発表するとともに、概要をまとめた論文をその報告集に投稿し受理され、現在印刷中である。また、モジュラスが1に一致する場合は方程式が、束縛状態が1個の無反射型シュレディンガー方程式になる事を見いだした。それらの詳しい結果をまとめて学会誌に投稿すべく現在執筆中である。 またウェーブレット解析を用いて非線形波動方程式の数値解析の手法も、並列計算を用いる手法を開発中であり結果は上記のNW04で発表した。 他方、トーリックイデアルのグレブナー基底の計算は、昨年Asirに実装したが、今年度は、その計算速度を上昇させることに成功した。
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Research Products
(4 results)