2004 Fiscal Year Annual Research Report
特異点解析に基づくハミルトン系の可積分性の判定条件と可積分系のリスト
Project/Area Number |
15540224
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
吉田 春夫 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70220663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 清隆 国立天文台, 理論研究部, 助教授 (80125210)
中井 宏 国立天文台, 天文情報公開センター, 助教授 (60155653)
|
Keywords | ハミルトン系 / 可積分性 / 判定条件 |
Research Abstract |
古典力学の研究における基本問題の一つに「具体的に与えられたハミルトン系が可積分か否かを判定すること」がある.ハミルトン系が可積分であるとは,運動方程式の一般解を解析的に求めることができることを意味する.例えば万有引力で相互作用する2質点の運動を記述する2体問題は可積分であるが3体問題は可積分でない.自由度nのハミルトン系の場合,非自明で最も簡単な場合が自由度2の場合であるが,この場合に限っても現在のところ,あるアルゴリズムによって可積分性を判定するという基本問題は解決されていない.本研究はそのような可積分性のより強力な判定条件を求め,可積分なハミルトン系のリストを得ることを目的とする.本年度も昨年度に引き続き新たな可積分な同次式ポテンシャルの組織的な探索を実行した.それ以外に得られた主な結果は以下の通りである. (1)カロゲロ模型は自由度Nに対して(2N-1)個の保存量を持つ超可積分系である.この超可積分性を保つ離散化(数値解法アルゴリズム)を初めて見いだした. (2)対称性を保つ直線4体問題の相空間の大局的な構造を,解析的および数値的に研究した.その手法はマッギーによる同時衝突の拡大と記号列による軌道の記述からなっている.
|
Research Products
(4 results)