2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540227
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 教授 (90187401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90241257)
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Keywords | シンクロトロン放射 / 超新星残骸 / 粒子加速 / 衝撃波 / 磁気リコネクション / 偏光 / 星雲 / パルサー |
Research Abstract |
かに星雲はその中心に強磁場・高速自転の中性子星(パルサー)を持っている。パルサーは回転のエネルギーを磁化した相対論的なプラズマとして放出し(これをパルサー風と呼ぶ)、そのエネルギーによりかに星雲は輝いている。従来のかに星雲の描像ではパルサー風のエネルギーは殆どプラズマの運動エネルギーとして放出されていると見ていた(ローレンツ因子は百万以上のプラズマの流れ)。本研究は、この描像が誤りである可能性があることを提案し、それを検証しようとする。 2003年にはパルサー風の直後のプラズマは乱流的になることを観測的に指摘した。2004年(本年)は、パルサー風の作る衝撃波の下流が乱流的になることを、星雲の偏光を理論的に計算し観測と比較することで確実にした。従来の運動エネルギーが卓越したパルサー風はなく、磁気エネルギーが衝撃波とその下流でプラズマ加速と加熱を起こしている可能性が高まった。 乱流磁場の原因としては、パルサー風にたくさんふくまれる磁気中性面の崩壊(磁気リコネクションを含む)がもっとも可能性が高い。この点に注目し多数の磁気中性面が衝撃波にとびこんでくるときの衝撃波の研究を推進した。これは、まだ未開拓の分野であり、従来、衝撃波粒子加速と磁気リコネクションによる粒子加速は独立に研究されて来たが、あたらしく、複合した現象を扱っていることに本研究のオリジナルの成果がある。 今後、X線によるかに星雲の連続観測、磁気中性面を含む衝撃波に於ける粒子加速、乱流加速をふくむかに星雲の流れの研究を推進し、新しい描像を明確にしてゆく。
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Research Products
(18 results)