2003 Fiscal Year Annual Research Report
専用計算機を用いた大規模シミュレーションによる高密度恒星系の進化の研究
Project/Area Number |
15540230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 淳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50229340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船渡 陽子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80292720)
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Keywords | 並列計算機 / 専用計算機 / 低レイテンシ通信 / 高密度恒星系 / ブラックホール / 球状星団 / 銀河中心 / 恒星系力学 |
Research Abstract |
本研究の目標は、並列GRAPEクラスタシステム上で効率良く動作し、恒星進化と恒星系の力学進化をカップルさせてシミュレーションできるプログラムを開発することと、それを使って星団内で恒星の暴走的な合体が起きる条件を決定することである。 前半の、並列シミュレーションプログラムの開発については、今年度大きな成果を達成できた。高密度恒星系の並列計算機上のシミュレーションでは、星の通勤する時間スケールの幅が極めて大きいために、実効的な並列度が粒子数に比べてずっと小さくなる。このために、プロセッサ間の通信のバンド幅よりもレイテンシで計算速度が制限され、価格性能比のよいPCクラスタではプロセッサ数を増やしても性能が向上しなかった。我々は、安価なギガビットイーサネットのネットワークアダプタを使って、極めてレイテンシの低い通信をサポートするライブラリを構築した。標準的なTCP/IPベースの通信ライブラリではレイテンシは100マイクロ秒前後であるが、我々の実現したシステムではスイッチングハブを介しても片道のレイテンシが10マイクロ秒と、ほぼ1桁の性能向上を実現した。これにより、PCクラスタをホストとする並列GRAPEシステムで高い実行性能を実現することが可能になった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makino, J., Funato, Y.: "Evolution of Massive Black Hole Binaries"The Astrophysical Journal. 602. 93-102 (2004)
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[Publications] Makino, J., Fukushige, T., Koga, M., Namura, K.: "GRAPE-6 : Massively-Parallel Special-Purpose Computer for Astrophysical Particle Simulations"Publ.of the Astronomical Society of Japan. 55・6. 1167-1187 (2003)