2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田辺 俊彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90179812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 好一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011740)
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Keywords | 恒星進化 / 恒星進化終末期 / 漸近巨星枝星(AGB星) / 質量放出現象 / 長周期変光星 / マゼラン星雲 / 国際研究者交流 / 南アフリカ |
Research Abstract |
中・小質量星は、その進化末期にAGB星となり、変光現象を起こし、さらに自らの質量を失う質量放出を起こし、星の周りにダストが形成され可視域では見えない赤外線星になると考えられている。しかし、このような赤外AGB星は寿命が短く、サンプル数が極めて少ないため、その変光及び質量放出については未だ判っていないことが多い。本研究では、AGB変光星の探査及びその変光現象を解明するため、南アフリカ天文台に設置されたIRSF望遠鏡+近赤外カメラSIRIUSを用い、大小マゼラン雲の中心領域を広範囲にわたって反復観測を行っている。大小マゼラン雲は距離が判っており、星の絶対等級が推定できるため、恒星進化の研究には理想的な天体である。 我々は昨年、大小マゼラン雲中の変光星の周期・光度(K等級)関係における系列を確定し、これら系列の幾つかがミラ型変光星の振動モードの違いによることを明らかにしたが、今年度はこれら変光星の周期と近赤外の色(J-K)の関係について調べた。その結果、周期・色関係において、上記ミラ型変光星は他のタイプの変光星とは全く異なる振る舞いを示し、また、振動モードによっても異なる関係を示すことが判った。一般に距離の判らないミラ型変光星は周期・光度関係の上にのせることができず、振動モードが判らないが、このことは、距離の判らないミラであっても周期と色が判れば振動モードが明らかにでき、これを用いて逆に距離を決定できることを示している。
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