2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540233
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50221825)
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Keywords | 銀河 / 銀河形成 / 銀河進化 |
Research Abstract |
赤方偏移5(宇宙年齢約10億年の時代)における銀河の大規模系統探査を行った結果、約600個の候補天体を発見した。これは世界最大規模のサンプルである。これを用いて、以下のような結果を得た。 ・紫外光度関数と星形成率密度の評価 最高精度の紫外光度関数の導出をする事ができた。この結果、赤方偏移5付近での宇宙における平均的星形成率密度は赤方偏移3、4のそれより少し小さいものの、まだ活発な星形成を行っている時代であることを明らかにした。 ・紫外スペクトルの特徴 すばる望遠鏡による可視分光観測により、約10の銀河についてスペクトルを得る事ができた。赤方偏移の確認と共に、これらの銀河におけるライマンα輝線強度がかなり弱いということがわかってきた。また、その銀河中の金属による星間吸収線も強いこともわかった。これらの結果から、宇宙年齢10億年の時代でも一定の化学進化があった事が示唆される。又、輝線の等価幅は、紫外線強度即ち星形成率の大きさに依存する可能性がでてきた。このことは、ライマンα輝線天体と呼ばれる種族とライマンブレイク銀河と呼ばれる種族の関係について、後者は前者の暗いものの一部であるという重要な知見を示唆していると考えられる。 ・クラスタリングの大きさ ライマンブレイク銀河の空間分布の様子を調べた。その相関長さは、非常に大きく、時間が経つと近傍宇宙の銀河団規模の相関長になることが予想される。このことは、我々が発見した銀河は、やがて大きな銀河団に成長していくような領域に存在していて大きな楕円銀河になる可能性を示唆する。 ・X線源との相関 X線源のカタログとも相関をとったところ、新たに2ないし4の対応天体候補がみつかった。
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Research Products
(14 results)