2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15540235
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
福江 純 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80173326)
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Keywords | 宇宙ジェット / 降着円盤 / ブラックホール / X線連星 / 活動銀河 / 特異星SS433 / 相対論的天体物理学 / 輻射流体力学 |
Research Abstract |
宇宙ジェットの加速に対して、ガス圧・輻射圧・磁気圧などさまざまな駆動力の効果を評価するために、幾何学的に薄い降着円盤の表面から吹き出す定常流モデルを構築した。流線の形状はアプリオリに与え、流れは流線に沿った1次元流だとした。またガスは等温を仮定し、磁場はトロイダル成分のみとし、輻射場は流線に沿って評価した。さらに、初年度は、相対論的効果は入れずにニュートン重力で扱った。このような流れを特徴付けるパラメータは、[等温音速a、流れの根元のアルフヴェン速度A、規格化した輻射場の強さΓ、流線が曲がり始める高さz]である。 流線に沿った重力や輻射の力などが単調ではないため、流れは一般に複数個の臨界点をもち、流れは鞍点型臨界点の方を通って加速される。ただし、ある光度以上(Γ>0.25)では、ガス圧や磁気圧などの影響によらずに、流れは常に超音速流となる。 今回得られたもっとも重要な知見は、流れの最終速度に対する近似式である。中心天体の質量をM、流れの根元の半径をr_0、流れの初速度をv_0とすると、流れの最終速度v_∞は、大雑把に、 (1/2)v_∞^2=(1/2)v_0^2-(1/2)(GM/r_0)+10.5a^2+0.7A^2+1.6zΓ(GM/r_0) のように表される。右辺第1項は円盤面での初期運動エネルギー、第2項は円盤面での重力ポテンシャルと遠心力ポテンシャルの和、第3項はガス圧の効果(係数はzに弱く依存する)、第4項は磁気圧の効果であり(この項の係数もzに弱く依存する)、右辺最後の項は、降着円盤の輻射場がする仕事の項である(輻射場の強さΓと流線が曲がり始める高さzの積に比例する)。 今回、流線の形状を与えているので、上の式の係数は、流線の形状パラメータzに依存するが、その依存性は弱く、上の表式はかなり一般的な性質を表していることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fukue Jun: "Wavy Stratus under Photon Surfing over Luminous Disks"Publ.Astron.Soc.Japan. 55, 2. 451-459 (2003)
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[Publications] Orihara Siho: "Radiative Collimation of Electron-Positron Jets II"Publ.Astron.Soc.Japan. 55, 4. 953-958 (2003)
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[Publications] Kitabatake Etsuko: "Cloudy Accretion Disks"Publ.Astron.Soc.Japan. 55, 6. 1115-1120 (2003)
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[Publications] Fukue Jun: "Light-Curve Diagnosis of a Hot Spot for Accretion-Disk Models"Publ.Astron.Soc.Japan. 55, 6. 1121-1125 (2003)
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[Publications] Fukue Jun: "Radiato-Magneto-Thermal Winds from an Accretion Disk"Publ.Astron.Soc.Japan. 56, 1. 181-192 (2004)
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[Publications] 福江 純: "<見えない宇宙>の歩き方"PHP研究所. 253 (2003)