2004 Fiscal Year Annual Research Report
量子的インフレーション宇宙における時空構造の進化とそのシミュレーション
Project/Area Number |
15540265
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南部 保貞 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40212112)
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Keywords | 長波長ゆらぎ / 繰り込み群 / 宇宙論的摂動 |
Research Abstract |
量子効果の時空構造への影響を取り入れるための準備として,長波長ゆらぎによる一様等方宇宙への反作用効果の定式化を行なった. まず,一様等方宇宙+長波長線形ゆらぎの系に対して,繰り込み群の方法を適用することで反作用の影響を評価した.一様等方宇宙の解はそこに含まれる積分定数によって特徴づけられるが,長波長線形ゆらぎの効果を背景に繰り込むことで,背景の積分定数が空間依存性を獲得することを示した.つまり長波長ゆらぎによる反作用効果は,空間依存性を持つ積分定数として表現できる.さらに繰り込まれた解が,Einstein方程式のgradient expansionの最低次の解と一致することも明らかにした. 次に非一様宇宙を平均化した場合に,非一様性が一様等方宇宙の進化に及ぼす影響を解析した.非一様宇宙のモデルとしてはgradient expansionの最低次の解を用意し,空間平均を具体的に実行することで,平均化された宇宙に対する発展方程式を導出した.その結果,非一様性が非断熱型のゆらぎである場合のみに反作用の効果によって宇宙の進化が変更されることが明らかとなった.さらに物質として輻射とダストの2成分完全流体系の場合について,平均化された宇宙の時間発展を具体的に求めたところ,宇宙定数を入れてないにも関わらず宇宙が加速する場合があることが明らかとなった.
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