2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540272
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 実 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70273729)
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Keywords | B中間子 / 超対称性 / SU(5) / ニュートリノ振動 / Bファクトリー / 暗黒物質 |
Research Abstract |
最小超重力模型,超対称大統一模型,フレーバー対称模型などにおける,超対称性の破れのフレーバー構造の発現について知見を得るために,これらの模型でのフーレーバーの破れに関係する現象について研究を行なった. 具体的には最小超重力模型,右巻きニュートリノを伴なう超対称SU(5)大統一模型,U(2)フレーバー対称模型について調べた.超対称SU(5)大統一模型については,右巻きニュートリノの質量行列について,縮退している場合と縮退していない場合の2種類について,近年のニュートリノ振動の実験結果を考慮して調べた. 特に(スーパー)Bファクトリー等の実験で興味深い以下の物理量について計算を行なった:b→sγ崩壊での直接的および混合によるCPの破れ,B_d→φK_s崩壊でのCPの破れ,B_s-B^^-_s混合の大きさ等.その結果として,超対称SU(5)大統一模型とU(2)フレーバー対称模型では,標準模型とは大きくことなる場合があり得ることを発見した.また,これらの量を含めた様々な物理量の相関から,超対称性の破れのフレーバー構造についての情報が,(スーパー)Bファクトリー等の実験で得られることを明らかにした. さらに,宇宙背景輻射などの最近の宇宙論的観測から示唆される暗黒物質が,超対称模型にあらわれるニュートラリーノであると考えた場合に,これがフレーバーの物理とどの様な関わりをもつか予備的な研究を行なった. また,Bファクトリー実験では量子相関の強い系が実現されることを利用して,量子論理の基本仮定から導かれる各種の相関不等式の検証の可能性について予備的な研究を行なった.
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