2004 Fiscal Year Annual Research Report
弦理論における開閉弦双対性の厳密な定式化に関する研究
Project/Area Number |
15540273
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中津 了勇 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10281502)
|
Keywords | 超弦 / Gauge / gravity対応 / 超対称gauge理論 / 統計模型 / Instanton moduli / Seiberg-Witten厳密解 |
Research Abstract |
超弦によるAdS/CFT対応や位相的弦のlarge N双対性に見てとれるように、gauge理論と重力理論の双対性の理解が深まりつつある。特に、noncompact toric Calabi-Yau多様体上の位相的閉弦の全種数を足し上げた分配関数のtopological string vertexによる計算方法が与えられた。このstring vertexはlarge N双対性を援用することによりgauge理論のlink不変量を用いて与えられている。無限遠における閉弦の境界条件はboundary stateと解釈でき、Wilson loopの絡まり(link不変量)による表示は自然である。さらに、これを立体Young図形をアンサンブルとする統計模型に写像できることが示された。この統計模型はCalabi-Yau多様体上の位相的閉弦が記述する弦の幾何学と深く結び付くと予想している。他方、4d N=2超対称gauge理論のinstantonの足し上げが可能になり、gauge理論はYoung図形をアンサンブルとする統計模型に写像できる。経路積分に寄与するgauge instantonはYoung図形と同一視される。この統計和は適当なCalabi-Yau多様体上の先に述べた閉弦の分配関数から求まることが観察されている。Gauge/gravity対応の観点から二つの統計模型の関連を明白にして、instantonの統計模型を閉弦の幾何学として捉えることが可能になると予想している。Topological vertexの類似物のgauge理論における構成を目指して、instantonのmoduli空間の幾何とこの統計模型の関連をさらに明白にすることを試みている。Gauge理論の低エネルギー効果作用は、統計和の熱力学的極限に対応し、Seiberg-Witten曲線で特徴付けられる無限大サイズのYoung図形の寄与が厳密解を導く。他方、これを位相的閉弦の分配関数の古典極限と見なすことも可能である。この熱力学的極限をgauge instantonのmoduli空間の見地から検討しなおすことで、2つの記述の関連が明らかになりつつある。
|
Research Products
(1 results)