2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 佳孝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60093457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 吉次 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
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Keywords | 超新星爆発 / ガモフテラー遷移 / 荷電交換反応 / 高分解能 / ニュートリノ / fpシェル核 / 元素合成 |
Research Abstract |
質量が太陽の10倍を越える星は、超新星爆発を起こし寿命を終える。鉄より重い(質量数の大きな)ウランまでの元素の起源は、この超新星爆発に求められている。地球の半分程度の大きさに成長した鉄等のコアーが、1秒程度で10km程の中性子星に変わる。コアーの急激な収縮で一気に重力エネルギーが大量に放出され、星の大爆発となる。 このとき、数10億度に達する恒星内部では、地上とは異なり、ベーター崩壊がエネルギー的に低い状態から高い状態に進行し得る(遷移できる)。そこで最も重要な役割を果たすのが、ガモフテラー遷移である。コアーが崩壊を始めると、一部では鉄のようなエネルギー的に低い原子核からマンガン、クローム、チタン、そしてカルシュームというように、元素合成と逆向きに原子番号の低い方向にガモフテラー遷移による反応が進み、他方では、ニュートリノ起因の逆ベーター崩壊による重元素の合成が進む。これらのガモフテラー遷移は、原子核を励起する方向に進むため、地上で自然に起こるベーター崩壊からは研究できない。 阪大RCNPで行っている(3He,t)荷電交換反応においては、ガモフテラー遷移の遷移強度が得られることが知られている。従来の研究では、個々の遷移を分離するための分解能不足が問題となっていた。分散整合法の導入により得られた、30keVという従来比1桁高い世界最高分解能を活用し、上記超新星爆発の発端となるコアー崩壊に関わるfpシェル核、特にチタン46、クローム50、鉄54、ニッケル62、64、及びより軽い核についてガモフテラー遷移を調べる為の実験を行った。データ解析を進め、論文として出版し、あるいはまとめつつある。またチタン48、クローム52、ニッケル60核についても(3He,t)反応の実験を完了しデータ解析を進める。 今後の測定はより広い領城の原子核について行う。その結果は、超新星爆発及び、ニュートリノ起因の元素合成の理論研究に対して、強い制限条件を与えることが予想される。
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Research Products
(6 results)