2004 Fiscal Year Annual Research Report
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15540281
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
熊野 俊三 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10253577)
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Keywords | 構造関数 / パートン / クォーク / グルーオン / 量子色力学 / Q^2発展 / 核子 / 原子核 |
Research Abstract |
1.Q^2発展方程式の数値解 Mellin変換を用いてQ^2発展方程式の数値解を研究し、この結果と他の解法であるLaguerre多項式法、Brute-force法による数値解との比較検討を行った。その結果、Laguerre多項式法は3つの数値解法の中で計算時間が一番短いが大きいxや小さいxで精度に問題があり、Brute-force法はxの全領域で精度は良いが計算に時間がかかることが判明した。Mellin変換法はBrute-force法より計算時間が短く、大きいxに注意すれば比較的精度良く計算できることが分かった。 2.原子核内パートン分布 原子核構造関数F_2とDrell-Yan過程の実験データを解析して原子核内パートン分布の決定をした。更に、原子核パートン分布の誤差を評価した結果、価クォーク分布は大きいxでF_2データより精度良く決定されていることがわかった。一方、反クォーク分布は小さいx領域で決定できたが、大きいxでの振舞いを特定することはできなかった。グルーオン分布は全領域で不定性が大きいことが示された。 3.NuTeVのsin^2θ_w異常 原子核内パートン分布を利用してNuTeVニュートリノ散乱実験におけるsin^2θ_w異常を研究した。u_vとd_vの原子核補正がsin^2θ_w異常にどの程度影響するか調べた結果、現段階ではNuTeV異常の全てを説明できるほどの量ではなかったが、その原子核補正は特定が困難であり将来的な実験研究が必要であることがわかった。
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