2005 Fiscal Year Annual Research Report
銀河団中の高温プラズマにおける熱制動輻射過程の研究
Project/Area Number |
15540293
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Research Institution | Josai Junior College |
Principal Investigator |
野澤 智 城西短期大学, その他, 教授 (00258914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直紀 上智大学, 理工学部, 教授 (20103939)
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Keywords | 銀河団 / プラズマ / 熱制動輻射過程 / ゴーント因子 / 相対論的効果 / Sunyaev-Zeldovich効果 / 宇宙背景放射 |
Research Abstract |
銀河団中には非常に多くの電子およびイオンがプラズマ状態として存在している。銀河団から放出されるX線の発生メカニズムとして、これらの高温プラズマ中における電子-イオンによる熱制動輻射過程および電子-電子による熱制動輻射過程が知られている。本研究では、銀河団中における高温プラズマの諸性質を理論的に考察することが目的であった。 平成17年度は、はじめに銀河団中の電子プラズマが宇宙背景放射(CMB)と逆コンプトン散乱を起こすことによって銀河団方向のCMBの温度が変化する効果(Sunyaev-Zeldovich効果)に対する研究を行った。我々は、平成16年度までに行ってきた研究を発展させた。特に、観測者(地球)がCMB系に対して運動していることが分かっており、この観測者の運動の効果をとり入れたSunyaev-Zeldovich効果に対する理論式を求めた。この結果を欧州学会誌(Astronomy & Astrophysics)に投稿し、論文は掲載された。次に、銀河団が運動している場合の運動学的Sunyaev-Zeldovich効果に対するより高精度の計算も行った。この結果は現在、欧州学会誌に投稿中である。 また、平成17年度は、銀河団中の高温プラズマにおける熱制動輻射過程に対する研究も引き続き行った。平成16年度までに行ってきた電子-電子による熱制動輻射過程に対する相対論的熱制動輻射率の計算を引き続き行った。この輻射率の表式に対する数値計算を行い、これまでに他のグループによって求められている数値結果との比較を行い、両者が完全に一致することを確かめた。さらに、上記の輻射率に関する表式を用いて、銀河団からのX線放射に関するゴーント因子を求める数値計算を行った。この計算結果については、今後学会等で口頭発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)